本文
備讃諸島の島民は太古の時代より,石とともに生きてきました。巨石は島民の精神文化と結びつき,崇拝と祈りの対象となってきました。また,岩肌をくり抜いた山岳霊場には,おかげにあやかろうとその地を訪れる人が後をたちません。
最盛期,島は石切りから加工,商い,出荷,海運まで石材産業が島内で完結した一大拠点として賑わいました。島の石材産業は富を生み,営みは文化と娯楽を島に遺しています。
空海が開いたとされる小豆島八十八ヶ所には,険しい石崖の洞窟に本尊を祀る山岳霊場がみられます。
土庄町/小豆島町
小瀬原丁場跡を見下ろす山頂に鎮座する巨石です。小瀬石鑓神社のご神体であり,巨石への信仰をうかがうことができます。
土庄町小瀬
日々過酷な重労働をしていた石工たちにふるまわれた食事です。小豆島の北部では、今でも祭りなどのハレ食として伝えられています。
石節は小豆島で石切りの際に歌われていたといいます。また,石切唄は,北木島で受け継がれる作業歌です。手作業で石を切っていた時代,石工たちが唄うことで作業効率を高めました。いずれも保存会により伝承されています。
石節
土庄町/小豆島町
北木島石切唄
笠岡市北木島町
昭和20年代から42年(1967年)頃まで営業し,石工たちに娯楽を提供していた旧映画館です。現在は北木島の石文化に関する映像上映等に活用されています。
笠岡市北木島町7887-52