笠岡市民の皆様,笠岡市長の小林嘉文(こばやしよしふみ)です。
私が市長に就任した6年前、まだ一面空き地の様相であった県営笠岡港(港町地区)工業用地も平成28年度以降、延べ16社の立地が決定して完売間近となり、茂平の民間工業団地7区画も完売し、本市への企業立地が急速に進んでいます。市内全体では、設備投資額1億円以上の企業が、平成23年から平成27年までの5年間が延べ115社、約410億円に対し、平成28年から令和2年までの5年間は、延べ161社、約681億円と1.66倍となっています。このうち雇用に繋がる製造業や農業といった産業では、5年間の設備投資総額が165億円から331億円と2倍になっており、実際に新たな雇用は500人を超え、それが市内の住宅建設などの消費行動に繋がっています。また、山陽自動車道篠坂パーキングエリアへのスマートインターチェンジの事業化に伴う新たな企業立地も期待され、さらに、大手製鉄会社のグループ会社が令和6年4月の操業開始に向け、総額約400億円を投資して工場建設が進められるなど、さらなる雇用創出が目に見えて進んできています。
笠岡湾干拓地では最新鋭のIoTやAIの技術を活用したスマート農業が展開され、その笠岡湾干拓地に繋がる国道2号バイパスの整備も進んでおり、倉敷市まで信号のない高規格道路が令和7年度に完成します。鉄道や国道2号、住吉港が集中する交通結節点である笠岡駅周辺では、駅南口の整備と駅舎の橋上化を行い、商店や学校・市役所などがある駅北側と住吉港のある駅南側を一体化することでマンション建設等の民間資本を呼び込むなど、駅周辺エリア全体が活性化するよう取り組んでいます。
こうした市内の状況に加え、これまで取り組んできた自主財源確保の積み重ねにより、市の貯金とも言える財政調整基金残高は、第8次笠岡市行政改革大綱の令和3年度末の目標としていた10億円に達する見込みとなり、笠岡市は今、教育三改革やインフラ整備、産業振興と観光、子育てや高齢者福祉にしっかりと投資できる環境が整ったと感じています。今年度は更に1つステージを上げる段階、陸上競技の三段跳びで言うところのホップ・ステップ・ジャンプのステップに移行する段階になったと実感しています。
教育について、GIGAスクール構想で児童生徒に一人一台タブレットを整備し、他の自治体に先駆けて、昨年春から自宅に持ち帰って自由に使ってもらえるようにしました。児童生徒たちは確実にタブレットを使いこなしつつあり、リモート授業のみならず、家庭学習でもフル活用し、家庭がいわば「第2の教室」となりつつあります。今年度はそれを最大限生かすべく、人工知能(AI)を利用した新たな学習機材を導入し、児童生徒の個に応じた指導により、学びに向かう力を伸ばし、全体の学力向上に繋げてまいります。小中一貫教育では、令和8年度開校予定の金浦中学校ブロックでの施設一体型小中一貫教育校の整備基本計画策定に着手します。学校関係者、保護者、地域の方とともに、しっかりと議論・検討を進め、「学びの連続性、系統性」「育ちの連続性」「教育環境の連続性」の3つの視点に立った、義務教育9年間を見通した新たな笠岡市の学校教育を着実に進めてまいります。
また、市民の皆様がいつまでも元気に安心して暮らしていけるよう、スマートフォンのアプリを活用した健康ポイント事業を行い、幅広い年齢層の方々に楽しく健康づくりを行っていただきたいと考えています。そして高齢者の方が住み慣れた地域で自立した生活を継続できるように、新たな移動サービスとして、住民サポーターによる高齢者への付添サービスを行い、市民の皆様がお互いに支え合うまちづくりを進めてまいります。さらにマイナンバーカードを活用した取組として、スマートフォン等でいつでも、どこでも市の行政手続きができるオンライン化も進めてまいります。
市制施行70周年の今年を、市民の皆様とともに笠岡市が新たなステージに大きく飛躍する記念の年とし、今後の持続的な発展に全力で取り組んでまいります。
笠岡市長 小 林 嘉 文