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笠岡湾干拓地内の臭気について

ページID:0034289 更新日:2023年6月16日更新 印刷ページ表示

笠岡湾干拓地における臭気の現状

 笠岡湾干拓地における畜産業は規模拡大や機械化が進み、現在では乳用牛・肉用牛を合わせた飼養頭数は約1万頭を超えています。生乳生産量は岡山県の約4割を占め、市内の小中学生は毎日の給食で干拓地で生産された牛乳を飲んでおり、肉用牛についても、ブランド牛として道の駅や飲食店に出荷されるなど、西日本でも有数の畜産団地に成長し、本市にとっても大きな産業となっています。

 このように規模拡大が進む一方で、畜産業に起因した臭気問題が長年の課題となっています。他の地域と比較すると、大規模な農家が密集しており、近隣の市街地や住宅地までの距離が1~2 km程度しか離れておらず、風向きにより臭気が希釈されず市街地に届いている現状があります。

臭気低減に向けた取組み

 笠岡市では、これまでに県や畜産農家とともに原因の調査や堆肥化実験、消臭剤の散布等による臭気低減に向けた取り組みを行ってきました。

堆肥舎部会会議への参加

 堆肥舎部会は、干拓地内の13農家で組織された共同堆肥舎を管理・運営する組織です。共同堆肥舎とは、各農家で一次発酵をした堆肥を持ち込んで二次発酵する干拓地内の堆肥舎で、ここで作製した堆肥を干拓地内のほ場に散布し、資源循環型農業を推進しています。
 毎月開催している堆肥舎部会の会議に市と県が出席し、堆肥の管理や臭気等に関する様々な議論を行っています。

 <協議内容>

  • 堆肥の管理や臭気低減に向けた取組みに関する協議
  • 堆肥の品質向上や耕種農家との連携による堆肥利用の推進
  • 臭気低減に向けた情報共有と苦情発生状況の報告 等

共同堆肥舎での温度・水分管理

 臭いの少ない良質な堆肥となるには、堆肥の発酵温度が60~70℃、水分量が50%となることが条件となります。また、適切なタイミングで切り返し作業をして堆肥に空気を送ることで好気性発酵を促すことが重要です。
 共同堆肥舎では毎週、温度と水分量の計測を行うことで、オペレーターに適切な切り返し作業を提示して、良質堆肥の生産に取り組んでいます。

畜産農家全戸巡回調査の実施

 笠岡市と岡山県の畜産専門職員が連携してチームを組み、令和3年度から年2回の全戸巡回調査を行っています。調査の内容は次のとおりとなっています。

  • 飼養頭数
  • 牛床への敷料の量や交換頻度
  • 糞尿の処理方法
  • 堆肥の切り返し頻度
  • 作業の時間帯 等

巡回調査で聞き取った内容は、農家ごと環境保全台帳としてまとめ、県と市が協議を行ったうえで、改善点を書き加えています。また、農家が抱える個別の問題点についても、臭気対策上の指導内容としてまとめて、ひとつずつ解決が図られるようアドバイスをおこなうとともに、継続的な臭気対策を図るために、アドバイスの内容や改善経過などが引き継げるように、「経過記録」を農家ごとに残しています。

巡回調査

臭気対策資材の利用

 笠岡市では、平成29年度から岡山県の補助金を活用して、臭気対策や良質な堆肥づくりのため、消臭剤や堆肥化促進剤等の資材を使った実証実験を行い、効果を検証する事業を行っています。
 

〈主な資材の検証結果〉

  • 堆肥の中にコーヒー粕を投入し、初期段階で臭気が低減していることを確認しました。
  • 臭いをコーティングする消臭剤を散布し、匂いが市街地まで届いていることを確認しており、現在も各農家で利用をしていただいています。
  • 数種類の発酵促進剤を堆肥に混ぜて好気性発酵を促す実証実験も一定程度の効果がみられています。

これまでに効果が実証された資材等については、各農家で使用していただいていており、令和4年度からは、それらの資材に対する補助事業を開始し、畜産農家の臭気対策を継続的に支援しています。

Faxとメールによる注意喚起

 市職員がにおいを感知した時や市民の方から苦情が寄せられた時に、干拓地の全畜産農家へFaxとメールで臭気発生情報をお知らせするとともに注意喚起を行っています。
 畜産農家は一日の中で、牛舎に入って餌やりをしたり、搾乳作業をしたり、ほ場に出て堆肥をまく作業をしていたり、さまざまな作業を行っています。そうした時に臭気情報が届くと、「この作業をしているときにFaxがよく届くなあ」「うちが堆肥をまいてたからにおいが届いたのかもしれない」という気付きになります。
 この通知により、においに対する意識付けや作業内容の見直しにつなげられています。

臭気報告アプリ「KABAR(カバー)」について

 臭気は風向きや気象条件によって不定期に感知されており、市内の不快な臭いの情報をタイムリーに把握するために、スマートフォン用Webアプリを運用しています。

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