尾剣の短~~いメス
尾剣の短~~いメス
ご覧のとおり尾剣(びけん:しっぽ)が短いメスのカブトガニが捕獲されました。
↓上から見ると↓
普通,カブトガニは体と尾剣の比率が1:1になります。
↓普通のメス↓
写真を載せて思いました。
「普通のメス」と書きましたが,このカブトガニは美人,いや美カブですね。
体全体のバランスも良いですし,尾剣の太さも良い!
縁棘(えんぎょく:体の後方に見えるトゲトゲ)のバランスもGood!
話がそれました。
すみません。
今回捕獲された尾剣の短いメスは,メスになるずいぶん前に尾剣が何らか拍子に折れて,脱皮を繰り返して徐々に再生して今の状態になったようです。
上下のふちがいびつにクネクネしているので,尾剣が折れてから複数回脱皮したことが想像できます。
しかし,これだけ尾剣が短いと,ひっくり返ってしまった時に起き上がることが難しくなります。
ひっくり返った場合,尾剣を使ってブリッジするように跳ね起きて,おなかの鰓書(えらしょ)でパタパタと泳ぐように起き上がります。
それでも,こうして成体(せいたい:おとな)になっているので,自然界の試練を乗り越えてきた立派なメスです。
そして,つがいになった跡も残っているので,しっかりと子孫も残しているようです。
(つがいになった跡はこちらで紹介しています。女(メス)もつらいよ)
短い尾剣がかわいいこのカブトガニは,現在博物館に入ってすぐのエントランの水槽にいます。
ご来館の際は一度見てみてくださいね。