いびつなカブトガニ。脱皮して成体になった姿は?
いびつなカブトガニ。脱皮して成体になった姿は?
上の写真は脱皮殻です。
数年前、笠岡の海岸に打ち上げられていたものを、当館の職員が回収しました。
脱皮殻の状態から、もう少し小さい頃に大ケガをし、脱皮して傷口がふさがっていることがわかります。
カブトガニ博物館では、地元の漁師の網にかかったカブトガニを引き取り、繁殖や保護をおこなっています。
そして、この度捕獲されたカブトガニが、上の写真のカブトガニと同じように体の左側が大きくえぐれていました!
↓それがこのカブトガニ↓
成体(おとな)のオスのカブトガニです。
こんな状態でよくぞ成体に脱皮できたものです。
脱皮殻より、少しえぐれ方が滑らかになっている気がします。
↓二つを比べてみると↓
↓分かりやすくすると↓
このように大きくえぐれたカブトガニはあまりいないので、同じ個体だと思いますが、決定的な証拠がほしいところ。
細かく特徴を観察していると、あることに気付きました。
第5歩脚(歩くための脚)の一部の特徴が一致しました!
脱皮殻と成体の大きさを比較したところ、この脱皮殻の大きさの頃から、2度の脱皮を経験して今の形になったようです。
いびつな脱皮殻の持ち主だと分かったことで、脱皮によってどの程度の傷が治癒するのかが分かります。
ほとんど体は再生しないものの、少しずつ体のラインが滑らかになっていくようです。
↓腹側はこんな感じ↓
何はともあれ、無事に成体になったカブトガニ。
今はとっても元気です!
(脚をバタバタするので、写真の脚がブレています)
大変な経験をしたカブトガニでしたが、その治癒力と生命力に驚きました!