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笠岡市の台所事情

ページID:0053566 更新日:2024年12月5日更新 印刷ページ表示

笠岡市の家計簿

「笠岡市の台所事情」

令和5年度の笠岡市の財政状況を一家の家計に例えてお知らせしたいと思います。

笠岡市の台所事情

~笠さん一家の紹介~

笠さん一家はお父さん、お母さん、お姉さん、弟の4人家族です。お父さんはサラリーマンで、給料が主な収入ですが、その他に所有する小さなアパートの家賃収入があります。また、お姉さんは私立の高校に通うために下宿し、弟は小学生で週に2回学習塾に行っています。おじいちゃんは、岡山に住んでいてときどき帰ってきます。

1.収入について

まず、笠岡市の1年間の収入(市ではこれを歳入と呼びます)を見てみましょう。令和5年度の笠岡市の収入は約267億円となりました。ずいぶん大きな数字です。
このままでは額が大きすぎてなかなか実感がわいてきません。では、一家の給料を420万円として家計に置き換えてみましょう。次の表1をご覧ください。

【令和5年度決算額:収入の部】
普通会計ベース※1
【表1】

笠岡市の状況を表したもの 家計に置き換えた場合 比率
  年間 1ヶ月



市税 72億4527.5万円 給料 420.0万円 35.0万円 27.1%
使用料・財産収入など 21億510.4万円 家賃収入 122万円 10.2万円 7.9%
繰入金 8億7643.8万円 貯金の取崩し

50.8万円

4.2万円

3.3%




国県支出金
地方交付税
地方消費税
など
136億1327.8万円 親からの援助 789.1万円 65.8万円 51%
市債 28億5837.7万円 借金 165.7万円 13.8万円 10.7%
収入の合計 266億9847.2万円 収入の合計 1547.7万円 129万円 100%
 

このようにして見てみると、給料(市税)全体の27.1%を占めており、主な収入源の一つとなっています。しかし、それら以上の額を、親からの援助に頼っている状態です。これは国や県からの補助金、地方交付税などで、全体の51%もあります。

そのほかには、預貯金の取り崩し(繰入金)や金融機関などから借金(市債)があります。

このように、いろいろな種類の収入で一家は生計を立てています。

 

収入におけるポイント

自主財源と依存財源

収入を見るうえで重要なポイントは、表1の一番左にある「自主財源」と「依存財源」の割合です。自主財源と依存財源とは何でしょうか。

自主財源とは・・・

文字どおり地方公共団体が自主的に収納できるお金のことを言い、市税や使用料・手数料などがこれに該当します。
市税であれば市が課税をして集めることができますし、住民票交付の手数料も市が独自に決めて収納することができます。
このような収入が自主財源です。

依存財源とは・・・

国や県の決定により交付される収入のことで、補助金や地方交付税などがこれに該当します。

笠岡市では、この割合が自主財源38.3%、依存財源61.7%となっています。依存財源が多いとそれだけ国や県に頼る部分が多いということですから、結果として市が自由に使えるお金の割合が減ります。よって、財政の健全化を図るためには自主財源の確保が重要なポイントとなるのです。

 

2.支出について

それでは次に、お金の使いみちである支出(市ではこれを歳出と呼びます)を見てみましょう。次の表2をご覧ください。

【令和5年度決算額:支出の部】
普通会計ベース※1
【表2】

笠岡市の状況を表したもの 家計に置き換えた場合 比率
  年間 1ヶ月
人件費 41億5491.5万円 食費 240.9万円 20.1万円 15.6%
公債費 23億532.5万円 ローンの返済 133.6万円 11.1万円

8.6%

扶助費

49億5913.1万円

医療費 287.5万円 24.0万円 18.6%
物件費 32億8190.7万円 光熱水費や電話代、
塾代など
190.2万円 15.8万円 12.3%
普通建設事業費・
災害復旧費・
維持補修費
29億1523.6万円 自宅の増改築費、
修繕費、車の車検代
169万円 14.1万円 10.9%
繰出金 23億2202.4万円 子どもへの仕送り 134.6万円 11.2万円 8.7%
補助費等・投資
及び
出資金・貸付金
56億7437.4万円 友人・親戚への援助 329万円 27.4万円 21.3%
積立金

6億7427.6万円

貯金をする 39.1万円 3.3万円 2.5%
歳計剰余金 4億1128.4万円 タンス貯金、財布の中身など

23.8万円

2万円 1.5%
支出の合計 266億9847.2万円 支出の合計 1547.7万円 129万円 100%
 

令和5年度においてはバイオマス発電施設への貸付金があったことから、友人・親戚への援助(補助費等・投資及び出資金・貸付金)が一番多く、次に医療費(扶助費)が多くなっています。

このほかにも、食費(人件費)、光熱水費や電話代、塾代(物件費)、自宅の増改築費、修繕費、車の車検代(普通建設事業費・災害復旧費・維持補修費)さらには、子どもがひとり暮らしをしているので、その仕送り(繰出金)もしなければなりません。また、将来のことも考え、わずかですが預金(積立金)もしています。

このように、支出にもいろいろなものがあります。

支出におけるポイント

義務的経費

支出のうち、食費(人件費)、ローンの返済(公債費)、医療費(扶助費)の3つを義務的経費と呼びます。
義務的経費とは、その支出が義務づけられ、必ず支払わなければならないものです。
この義務的経費の比率が大きければ大きいほど、自由に使うお金が少なくなりますから、義務的経費が増えることは財政の健全化を図るにあたっての大きな障害となります。
なお、笠岡市では、義務的経費の割合が42.8%と、支出の4割を超えています。この中で特に医療費(扶助費)の割合が高いのが、笠岡市の特徴の一つです。

 

Q&A質問コーナー

質問コーナーでは、皆さんからの質問をお待ちしております。

皆さんからの質問には、私たち財政係がお答えします。

-あとがき-
ということで、今回もちょっと強引でしたが、市の収入と支出を家計に置き換えて説明してきました。令和5年度も、前年度に引き続いて親に援助をしてもらいながら、物価高騰によって困っている人を助けるためなどにお金をたくさん使いました。また、毎年のことながら医療費(扶助費)やローンの返済(公債費)などもかさみ、苦しい中でなんとかやりくりをしました。
笠さん一家の貯金(基金残高)は増えたものの、特定の目的にしか使用できない貯金が増えたことによるもので、急な出費に使える貯金(財政調整基金)は大幅に減っているのが現状です。
こうした厳しい台所事情の中、令和6年8月には今後の収支見通しが大変厳しいものになっていると公表させていただき、11月にはそのことに対しての健全化プランの素案を公表したところです。
この度の収支見通しの発表により皆様にはご心配をおかけして申し訳なく思っておりますが、笠岡市の「未来」が明るくなるように、今確実に財政を健全化させて、今後安心して幸せに暮らせるまちをつくりあげてまいりますので、ご理解とご協力をお願いします。


※1 普通会計…一般会計とへき地診療施設会計、公共用地取得会計をまとめたものです。