カブトガニの生活
カブトガニの生活
(1)活動期と休眠期
カブトガニは、水温が18℃以上になると、さかんに動いて食べ物を食べるようになります。そして、水温が25℃から、 30℃くらいになると、もっともよく活動し、幼生たちは、だっぴをして大きくなり、成体(親)は卵を産んだりします。カブトガニは、1年間のうち5月ごろから、10月ごろまでよく活動し、11月ごろから、翌年の4月ごろまで、泥の中にもぐっています。
このように、カブトガニは、半年間活動し、あとの半年間は休眠しています。(40・41図)
▲40図 活動期のカブトガニ
▲41図 カブトガニの活動期と休眠期
(2)食べ物と食べ方
カブトガニの食べ物は、産まれてしばらくの間は、海水中のプランクトンや泥の中の微生物などを食べています。大きくなると、ひがたや海底の泥の中にいる、ゴカイ類(るい)のほか、アサリ、ハマグリ、トリガイ、イガイ、ホトトギスガイ、オウノガイ、ハイガイなどの二枚貝、ウニ、時には海そうなども食べているようです。また、カブトガニを人工飼育をする場合のえさは、幼生のときは、ブラインシュリンプやテトラミンなどをやり、大きくなると、ゴカイや二枚貝、イカの切り身などを与えています。
▲42図 カブトガニの食べ物
食べる時のようすは、第2、第4番目の足を同時に動かし、次に第3、第5番目の足を同時に動かします。その時、足の根元のあごが動き、食べ物を口の中に送りこむしくみとなっています。(42・43図)
▲43図 カブトガニの食事中
(3)泳ぎ方
カブトガニを海にはなすと、わたしたちが歩く速さくらいで泳ぎます。ま夏の朝方に、実験室の水槽内の水面や、大潮の昼間の満潮時に、実験飼育地の水面を泳ぐ姿は、あお向けになり、えらぶたをさかんにあおり、ペッタペッタと音をたてながら、水を後方におしやり、しっぽでかじをとりながら、ゆっくりと前進します。平べったいおわんの形をした甲らの下から、ふ力(浮かす力)をいっぱい受けて、気持よさそうに泳いでいるようすを見ると、平和そのものを感じます。(44図)