生きている化石
5.『生きている化石』
(1)『生きている化石』のなかま
今、地球上に住んでいる生物の中で、何千万年、何億年前の地層の中から出る化石と、同じ姿や形をしている動物や植物を、『生きている化石』と呼んでいますが、カブトガニのほかに、シーラカンス、オウムガイ、ウミユリなどがいます。これらの生き物が、いつまでも生き続けてほしいものです。(表3)
(2)カブトガニと三葉虫
カブトガニの祖先をたどってみると、今日のカブトガニそっくりの『メソリムルス・ワルチ』という、約2億年前のカブトガニの化石に出会います。
そしてもっとさかのぼると、三葉虫に似ていて、尾剣が少しのびかけた、約3億年前の『ウェインベルギナ』に出会います。(26・27図)
▲26図 三葉虫
▲27図 ウェインベルギナ
(3)進化におくれた動物
ドイツのゾルンフォーヘンという所で、約2億年前のジュラ紀の地層から、前述の『メソリムルス・ワルチ』という、カブトガニそっくりの化石が出ていることは、カブトガニが、そのころ以後ほとんど進化していない不思議な動物だといえます。 そのわけを考えてみますと、カブトガニが、2億年間、自然にさからわないで、またたいして変わらない環境とともに生き続けてきたからだと思います。(28図)
▲28図 カブトガニと化石(左化石、右カブトガニ)