カブトガニ成体行動調査
カブトガニ成体行動調査
笠岡市のカブトガニは、7・8月の産卵期には天然記念物指定の神島水道の砂浜に来て産卵し、冬場には、区域外に出て休眠すると考えられているが実態は不明である。
カブトガニの状況を把握することは、保護対策の根源である。そのため本調査は、これまで不明であったカブトガニの行動を解明することで、今後のカブトガニ保護対策に重要な役割を果たすものとなる。
調査概要
本調査は、カブトガニの背甲にピンガー(発信機)を装着し、ピンガーから発信される音波を船上の受信機で察知するものである。水中で受信機の角度を変えてやることで、音波の最も強い方向に船を向けてカブトガニを追跡し、カブトガニの行動跡を調査するものである。
カブトガニは、魚類とは違って移動力は大きくないので放流後の追跡調査は比較的容易ではあるが、長期間を要する難関がある。しかしこの調査を実施することによってこれまで不明であった下記のようなカブトガニの行動を解明することができる。・年間を通してのカブトガニの行動パターン
- カブトガニの移動距離
- カブトガニの新たな産卵場所の確認
- 休眠場所の解明
- 雌雄の行動習性
調査目的
カブトガニを保護するために必要なデータを得ることによって、保護区域の拡充など、色々な保護対策を検討するため。
調査方法
調査については観測船を借り上げて行う。産卵調査は、指定地外の大島地区沖合から放流し、片側までの行動を夜間中心に調査する。