カブトガニの性別の話
カブトガニの性別の話
はじめに話しておくと,カブトガニは脱皮をして成長する生き物で,1回の脱皮で約1.3倍の大きさに成長します。
そして,最後の脱皮をしてオスの形になるか,メスの形になるかが決まります。
ただし,染色体を調べると小さなカブトガニでも将来どちらの性別になるかがわかるそうです。
ちなみに全長はオスが約50cm。
メスが約60cmで,多少の誤差はありますが脱皮1回分の差があります。
こうしてオスかメスに成長した大人のカブトガニを「成体」。
もう少しで成体になるカブトガニを「亜成体」と呼んでいます。
亜成体の明確な基準はありませんが,「あと1回か2回で成体になるぞ!」というカブトガニをそう呼んでいるイメージです。
今回捕獲された亜成体
12月13日に底引き網にかかった1匹のカブトガニが捕獲されました。
体重431g 全長355mmのこのカブトガニはサイズ的にあと1回脱皮すればオスになるし,あと2回すればメスになります。
「次の脱皮でオスかメスかが分かるのか!」
「脱皮が待ち遠しい!」
と思う方がいるかもしれませんが,じつは「あるところ」を見るとどちらの性別になるかが分かります。
いや。
分かる人には分かります。
見慣れないと分かりづらいので。
(カブトガニレベル25くらい必要です)
腹側の蓋板を...
ガバッ!
っとめくると「生殖孔」が見えます
実物ではなく,この写真を見ただけで性別の判断ができる人は,カブトガニレベル30を超えているでしょう!
この生殖孔という部位はオスにもメスにもあるのですが,オスはとがっているのに対してメスは大きく丸く膨れています。
↓オスの生殖孔↓
↓メスの生殖孔↓
全然形が違いますね!
と,いうことで
今回捕獲されたカブトガニの生殖孔は丸い先端をしているので,おそらく,あと2回脱皮して標準サイズのメスになるはずです。
誰も得をしないマニアックな話でした。
現場からは以上です。