学芸員の覚書(側器官)
学芸員の覚書(側器官)
カブトガニを研究している人でもあまり聞きなれないワード。
「側器官(そくきかん)」。
上の写真の真ん中の丸い部分が,その側器官です。
っていうか,そもそもカブトガニのどの部分をアップしているのか分からないですよね?
カブトガニの1齢幼生(赤ちゃん)の前体の側部です。
カブトガニが透けて見えるのは,これが脱皮殻だからです。
なぜ脱皮殻なのか?
じつはこの側器官,生きてる状態のカブトガニでは非常に分かりにくいんです。
↓それがこちら↓
なんとなく色が薄いところがあるような...。
脱皮殻の写真では一見,眼のように見えますが,眼(複眼)は赤い丸とかぶっている黒い部分です。
では,側器官っていったい何の役割があるのでしょうか?
じつは!
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なんと!
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役割は!
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なんとっ!!
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謎です!!!
まだ役割がわかっていない,謎の器官なんです。
そもそも,なぜ写真にわざわざ小さな1齢幼生のカブトガニを載せているのか。
それは「1齢幼生にしかない器官」なんです!
2齢幼生の脱皮殻を見てみると,
↓アップ↓
ご覧のとおり,ツルンとしたカブトガニらしいフォルムです。
過去にいろいろと実験をして,何の役割があるのかを研究したことはあるようですが,現在のところまだ,その役割は明らかになっていません。
これから先,この側器官の役割を解明する研究者が出てくるかもしれません。
謎の多いいきもの,カブトガニの謎の器官「側器官」の話でした。