はやい?ゆっくり?カブトガニの成長速度
はやい?ゆっくり?カブトガニの成長速度
10月末になり、2018年のカブトガニシーズンは終了を迎えました。
というもの、カブトガニは水温が低くなると活動できなくなるので、寒い時期は休眠状態になります。
そう!
カブトガニは活動できるのが「夏限定」のプレミアム感のある生き物なんです。
大きさ比較
カブトガニの成長を知るうえで欠かせない知識に「齢数」があります。
卵から生まれたカブトガニを「1齢幼生」。
それから一度脱皮したカブトガニを「2齢幼生」。
さらにもう一度脱皮したカブトガニを「3齢幼生」。
というように、脱皮の回数に応じて「○齢幼生」と呼びます。
つまり「○齢幼生=○歳」ではないのです。あくまでも脱皮した回数が指標です。
さて、本題のカブトガニの成長速度ですが、まず1年間でどれだけ大きくなるのか見てみましょう!
おお!
大きい!
親子ほどの差があるように思えますね。
(5齢幼生のカブトガニは、当館の人工飼育個体です)
しかし、これで約1年分の成長です。
ちなみに、小さいカブトガニは1年に何回も脱皮しますが、大きくなってくると1年に1回しか脱皮しなくなると言われています。
そして、10年以上の歳月をかけて成体(おとな)になると考えられています。
さて、次は5歳になった12齢幼生のカブトガニと比べてみましょう!
さきほどの写真では大きく感じた5齢幼生が赤ちゃんのように小さく感じます。
そして、お気付きでしょうか?
体の色も変わっています。
そう!
カブトガニは成長に応じて体の色が変わる生き物なんです!
1齢幼生はクリーム色で、2齢幼生では少し赤くなっていきます。
↓2齢幼生の体色変化↓
右にいくにつれて濃くなっているのが分かると思います。
そして、9齢幼生くらいまでは黒い体になります。
その後は徐々に上の写真の12齢幼生のような、表現しにくい色に変わっていきます。
さて、それでは12齢幼生と成体のカブトガニを比較してみましょう!
このメスは全長60cmで、カブトガニのメスとしてはスタンダードな大きさです。
それでもこの大きさですから、カブトガニが何度も脱皮を繰り返さなければ、おとなになれないのは納得です。
ちなみに、1齢幼生・5齢幼生・12齢幼生・成体を並べてみると次のとおり。
どれも同じカブトガニですが、ここまで大きさが違うと生命の神秘すら感じます。
いかがでしたか?
カブトガニの成長は思ったよりも遅かったでしょうか?早かったでしょうか?
おとなになるまで10年ちょっと、と考えるとヒトと比べると早いですが犬や猫と比べると遅いですね。
カブトガニ博物館では、これからも愛情をもってカブトガニを飼育していきます。