カブトガニっておいしいの? そもそもカニなの?
カブトガニっておいしいの? そもそもカニなの?
タイトルのとおり、「カブトガニっておいしいんですか?」
と、よく来館された方々から聞かれます。
タイや中国などの東南アジアの一部の地域では、カブトガニを食べるそうですが、残念ながら筆者は食べたことがありません。
むしろ食べたくありません。
よく、「カニだからおいしいんですよね!?」
という方がいらっしゃいますが・・・
カブトガニは、カニではありません
ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「クモやサソリの仲間ですよね!」
と言われることも多いのですが、違います。
『クモやサソリの仲間に近い』生き物です。
結論をいうと『カブトガニはカブトガニ』です。
図説すると、
『節足動物』という、いわゆる虫や甲殻類などの生き物のグループを系統樹で表しました。
これを見ると『クモやサソリに近い』という意味が分かると思います。
そして、エビやカニはカブトガニからずいぶん遠くにいます。
近年、昆虫食が話題ですが、この系統樹を見ると納得です。
(食べたくはないですが・・・)
ちなみに、『ムカデエビ』という聞き慣れない生き物は、ごく限られた沿岸部の洞窟に棲んでいます。
最大でも全長4cmという大きさなのに、洞窟という半閉鎖的な生息地では生態系の頂点に立っています。
カブトガニと同じく『生きている化石』と呼ばれ、約3億年前から姿が変わっていない生き物です。
カブトガニの可食部は?
カブトガニにはほとんど身がありません。
メスの前体(頭の部分)に卵がギッシリ詰まるので、それを食べるそうです。
人の味覚はそれぞれですが、「おいしくない」「生臭い」といった話を聞いたことがあります。
もし、おいしければ、今頃瀬戸内海のカブトガニは食べられて絶滅していたかもしれませんね。
以上、「カブトガニはカニの仲間でもないし、おいしくないよ」という話でした。