カブトガニって、エサを食べると赤くなる?
カブトガニはエサを食べると赤くなる?
突拍子もない見出しに「どういうこと!?」と思われた方もいらっしゃると思います。
もちろん、大きな成体のカブトガニがエサを食べて急に真っ赤になることはありません。
では、どういうことでしょうか?
実は、まだ小さな2齢幼生のカブトガニにエサをあげると、ある部分が赤くなります。
↓2齢幼生(頭(前体)の幅は約9mm)↓
しかし、エサにも条件があります。
エサは「ブラインシュリンプ」といって、簡単にいうと小さな甲殻類です。
ブラインシュリンプは赤色をしているので、それをムシャムシャ食べると...
鼻が赤くなったように見えますね♪
しかし、鼻ではありません!よく考えてみてください。
みなさんは、物を食べるとまずどこにたまりますか?
そうです!ここがカブトガニの胃なんです!
ところで、「『赤くなる』ってこれだけ?」と、思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ご心配なく!このページの下の方には、とんでもなく赤いカブトガニがいます!
(赤くなるのは胃だけだと思っていませんか・・・?)
その前に、
少しマニアックな胃の話
カブトガニの胃は「前胃」と呼ばれることが多いのですが、前や後ろの位置を指しているのではありません。
これは、発生学的に前腸に属する胃様器官を意味しています。
つまり、形態学的呼称としての「前胃」ではないのです。
ちなみに、機能は一種の咀嚼(そしゃく)胃です。
話をもどします
マニアックな話にお付き合いいただいた方も、読み飛ばされた方もお待たせしました!
↓赤いカブトガニです↓
赤いですね~。
この赤は、やはりブラインシュリンプの赤です。
ところで頭(前体)の左右と前に、枝分かれした血管のようなものが見えますか?
これは実は、血管ではありません!
そもそもカブトガニの血液は、白い半透明(空気に触れると青白くなります)です。
では、これは一体何なのか!?
答えは、消化器官の一種です。
(体の真ん中が腸で、左右と前に枝分かれした血管のようなものが中腸腺の主要部「中腸盲嚢」です。)
体全体で消化しているんですね。
それにしても、どれだけ食べたらこんなに赤くなるのか・・・。