アメリカカブトガニ脱皮不全!さあ、どうする?(動画あり)
アメリカカブトガニが脱皮不全!さあ、どうする?
平成29年1月12日の午後2時頃、博物館内で飼育中のアメリカカブトガニが脱皮を始めました。
上の写真がその脱皮中の写真です。
頭の先の方が割れて、新しい体が出てきています。
「明日には脱皮しているだろう」
と思い、帰路につきました。
1月13日は筆者は休日だったので、14日の朝に水槽を見てみると...
脱皮が進んでいない!!
これは、いわゆる『脱皮不全』です!
脱皮という行為は、自身を成長させるためのカブトガニにとって必要不可欠な行為ですが、同時に死と隣り合わせの危険な一面を持っています。
この時、脱皮開始からすでに40時間以上が経過していました。
おそらく、体の一部が殻からうまく剝れず、これ以上脱皮できないのでしょう。
こんな時、我々がとる行動は一つです。
人工的に脱皮させる
カブトガニが自身の力で脱皮できないのであれば、人工的に脱皮させるしかないのです。
今回は、その様子を動画でご紹介します。
動画が再生されない方は、こちらの動画サイト<外部リンク>からご覧ください。
まず、殻からカブトガニが出やすいように、殻の縁を切開します。
細かいところはピンセットなどを使って、5対(10本)の脚を殻から抜き出していきます。
左右均等に力をかけて、新しい体を抜き出します。
すべての脚もきれいに脱皮できました。
長時間、殻の中で身動きがとれなかったので、多少形がいびつになると思いますが、これからエサをモリモリ食べて早くカブトガニらしい硬い体になってほしいと思います。
というのも、脱皮させたばかりのカブトガニは本当に柔らかく、水の中からすくい上げると溶けそうなほどダラァ~とします。
(正直なところ、持ち上げるのが怖いくらいです)
海にいる軟体動物のアメフラシを持ち上げたことがある人は、その感触に近いので分かりやすいと思います。
分からない人は...
巨大なナメクジみたいな感じですかね。
とにかく柔らかいです。
何はともあれ脱皮できましたので、これからの成長が楽しみですね。
現場からは以上です。