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臨床検査科

印刷用ページを表示する更新日:2022年8月1日更新 <外部リンク>

概要・メッセージ

 臨床検査は、患者様の体の状態を詳しく調べ、病気の診断や治療方法を決定するために行われる検査です。
 また、人間ドックなどで病気を未然に発見するためにも重要な役割を担っています。

基本方針

 円滑な診療が行われるために、チーム医療の一員として正確で迅速な検査体制の構築に努める

メンバー

 臨床検査科長(医師) 1名

     臨床検査技師   7名

認定資格一覧

特色

  • 臨床検査科は、患者様から採取した血液、尿、便などから調べる『検体検査部門』、心電図や超音波(エコー)検査など患者様を直接調べる『生理検査部門』から構成されています。
  • 緊急の患者様にも対応できるように24時間365日の待機制を組み、依頼された検査を迅速かつ正確に報告しています。

事業内容

検体検査

生化学・免疫検査

 生化学検査は、血液や尿などに含まれているたんぱく質や酵素、脂質類やミネラルなどの化学物質を測定します。これらの化学物質は健康状態の目安として、病気の診断はもちろん、治療効果や予後の判定に重要な意味を持っています。
 生化学検査で測定するのは主に肝機能・腎機能・脂質系・糖尿病などがあります。
 当院では最新鋭の自動分析装置を導入し、精度の高い検査結果を迅速に報告しています。
 また夜間・休日の緊急時にも検査を実施し、診断のための検査情報を臨床医に報告できるようにしています。

 免疫血清検査は、血液中に感染によって出来た抗体やその抗体量を調べる検査で、病気の感染の有無を診断する検査です。
 当院では肝炎・梅毒などの感染症や、細胞がガン化すると血液中に出現する特殊なたんぱく質(腫瘍マーカー)の検査や体内の様々なホルモンなどの検査を行っています。
 また、迅速検査としてインフルエンザウイルス・アデノウイルス・RSウイルスなどのウイルス検査も実施しています。

血液学検査

 血液学検査には主に血球検査と凝固検査があります。
 血球検査は、血液中の細胞成分(赤血球・白血球・血小板)の数や質の異常、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値を測定する検査で、貧血や感染症、血液疾患の有無を知るための重要な検査です。
 凝固検査は、出血した時に止血する機能がきちんと働くかどうかを調べる検査です。
 血管が切れて出血すると、まず血小板が集まってきて傷口をふさぎます(一次止血)。
 次に血液中の凝固因子と呼ばれるたんぱく質が働き繊維素の網で血小板をおおい固めます(二次止血)。この凝固因子の働きを見る検査を凝固検査と言います。

輸血検査

 輸血検査は患者さんに安全な輸血を行うために、輸血用血液製剤が患者さんに適合するかどうかを調べる検査です。
 まず、患者さんのABO式血液型、Rh(D)式血液型を調べます。次に不規則抗体検査を行います。以前に輸血を受けたことがある方や、妊娠したことがある方などは、不規則抗体が血液中に存在することがあります。不規則抗体が血液中にある場合は、血液型が合っていても輸血をすると副作用が起こる場合があります。このため、輸血前には必ず不規則抗体を調べる必要があります。
 最後に、輸血をする前に患者さんの血液と、輸血をする血液製剤の一部を実際に反応させて、異常が起こらないかどうかを調べます。これを交差適合試験と言います。
 ここまでの検査を行い、合格した血液製剤のみが実際に患者さんに輸血されます。

一般検査

 一般検査では尿・便・髄液・穿刺液などを検査します。尿や便は血液検査とは異なり採血の必要がないので苦痛を伴わず採取でき、繰り返し行えるため有用性も高いです。
 尿検査では、尿蛋白・尿糖・尿潜血など数種類の項目を調べます。それに加え、尿中の細胞を検査する尿沈渣検査も行います。
 便検査では、便に血液が混ざっていないか調べる便潜血検査や便中の寄生虫卵の有無を顕微鏡で観察する検査があります。
 髄液検査では、髄液中の細胞の数を数えたり、蛋白や糖などの検査を行うことで、髄膜炎などの診断に有用です。
 穿刺液検査では、髄液検査と同様に細胞数の数を数えたり、蛋白や糖など調べます。また特殊な染色液で染めた細胞にガン細胞など異型性がないかどうか顕微鏡で観察します。

病理・細胞診検査

 病理・細胞診検査は色々な検査材料(婦人科材料・腹水・胸水・尿・喀痰など)で異型(悪性)細胞がないかどうかを調べる検査です。血液検査や、画像検査(超音波やCTなど)で、悪性腫瘍(ガン)が疑われた場合、実際に良性か悪性かを確定診断するには直接組織や細胞を顕微鏡レベルで検査する必要があります。
 当院では、この様な検査材料を採取・前処理を行い、診断は専門の機関に外注委託しています。

生理検査

心電図検査

 

心電計(FPC8800)の写真

心電計(FPC8800)

心電計(ポータブル)の写真

心電計(ポータブル)

 心電図検査は心臓の電気興奮を波形として記録するもので、不整脈をはじめ心筋梗塞や心筋炎などの心臓病の早期発見や早期診断に役立ちます。心電図検査には安静時に記録するもののほかに、24時間記録可能な『ホルター心電図』、1~2週間装着し症状があった時に患者さん自身でボタンを押して心電図を記録する『イベントホルター心電図』、運動を行って心臓に負荷をかけ心電図を記録する『運動負荷心電図』などの種類があります。

超音波検査

 

心エコー(Vivid E9)

心エコー(Vivid E9)

X腹部エコー(Xario XG)

腹部エコー(Xario XG)

  超音波検査は、通常人には聞こえない周波数の高い音(超音波)をあてて体内の臓器や血液の流れる様子を映し出す検査です。
 当院では、心臓・腹部・乳腺・甲状腺・血管など多くの臓器を検査しています。超音波検査は被爆の心配がないので繰り返し検査が可能で、子供や妊娠中の方でも安心して検査を受けていただけます。

呼吸機能検査

 
モストグラフ

モストグラフ

肺機能

肺機能

呼気NO

呼気NO

 呼吸機能検査は、大きな呼吸をしたり、勢いよく息を吐き出したりして、肺の機能や病気を調べる検査です。
 当院では、呼吸器疾患のスクリーニングに用いられるスパイロメトリー検査、喘息やCOPDの重症度を調べるために気道抵抗値を調べるモストグラフ検査、喘息の診断や気道の炎症状態を調べる呼気NO測定検査があります。

睡眠時無呼吸検査

 

PSG

PSG(Alice6 LDE)

  睡眠時無呼吸症候群とは、その名の通り睡眠時に呼吸が止まり、それが原因で日常の生活に様々な障害を引き起こす疾患です。
 当院で行える睡眠時無呼吸検査は、この睡眠時無呼吸症候群の重症度を調べる検査で、自宅で行える簡易検査と病院に1泊入院して行うPSG検査とがあります。
入院して行うPSG検査では体に様々なセンサーを取り付け、睡眠の質(眠りの深さや分断の状態)の実際を評価します。
また、睡眠中に起こる異常行動や不整脈などの評価も行い、他の睡眠障害や合併症がないか診断します。

脳波検査

 

脳波計(EEG-1274)

脳波計(EEG-1274)

 脳波検査は、脳が活動した時に流れる微弱な電流を頭部に付けた電極でとらえ、波形として記録するものです。脳波検査では、背景活動と呼ばれる全般的・持続的な律動や、これとは明らかに区別される突発波の周波数や波形パターンを調べます。また安静時だけでなく、睡眠・光刺激・過呼吸・音刺激などにより誘発される突発波がないか調べます。
 このように脳波検査は、てんかんの診断・病型判定・けいれんや意識障害の評価・器質性脳障害や睡眠異常の診断に用いられます。

神経伝達速度検査

 神経伝達速度検査は、末梢神経を皮膚の上から電気刺激し誘発された電位を記録し、伝導速度・振幅などを測定することによって末梢神経疾患や脊髄疾患の診断・病態の把握に用いられます。
 当院では主に末梢神経に障害をきたす糖尿病の患者様を対象に検査を実施しています。

血圧脈波検査

 

CAVI(vs_3000)

CAVI(vs_3000)

CAVI(血圧脈波)

CAVI(血圧脈波)

  血圧脈波検査で測定する項目は、 CAVI(心臓から足首までの血管の硬さの程度)とABI(足の動脈の詰まり)です。
 血管の硬さや詰まり具合を測定し、動脈硬化の進行度を調べることができます。
 また、おおよその血管年齢を知ることが出来ます。

FMD検査(血管内皮機能検査)

 

FMD検査(血管内皮機能検査)

FMD(血管内皮機能検査)

  FMD検査は腕を圧迫し血管内皮細胞から生成されるNO(一酸化窒素)によって、腕の圧迫を解放した時にどれだけ動脈が拡張するかを超音波でみる検査です。
 将来脳梗塞や心筋梗塞を発症する可能性のある動脈硬化は血管内皮の機能低下から始まると言われています。
 FMD検査は動脈硬化になる一歩手前の血管内皮機能状態を知ることで、動脈硬化の早期進行リスクを評価します。

眼底検査

 

眼底検査

眼底検査

  眼底検査は、眼底カメラという機器を用いて眼底の血管・網膜・視神経を調べます。
 「眼底」は、体の中で唯一、外から血管を観察できる部位のため、眼科領域の疾患(糖尿病性網膜症・緑内障・白内障など)だけでなく、高血圧・脂質代謝異常症・糖尿病などの血管への影響、動脈硬化の程度なども知ることができます。