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「産業支援による地域再生講演会」を開催しました
「産業支援による地域再生講演会」を開催しました
産業支援の世界では日本一といわれている小出宗昭さんをお招きし、「産業支援」を切り口に、地域の活性化に関する講演会を開催しました。
とき 平成20年9月13日(土曜日) 14時00分~16時00分
ところ 笠岡市民会館(笠岡市六番町1-10)
講師 小出宗昭さん((株)イドム代表取締役)
講師の紹介
静岡県富士市出身。静岡銀行に入行後、2001年に「SOHOしずおか」へ出向。約200件の新規事業設立に携わった活動が評価され、2005年2月にジャパン・ベンチャー・アワード起業支援家部門にて経済産業大臣表彰を受賞される。現在は、富士市内に開所したf-Bizでセンター長兼プロジェクトマネージャーをされている。
講演内容
静岡市民は元々「やらまいか」(やらない方がいい)という気質であった
浜松市民の「やらないか」の気質とは正反対の「やらまいか」という気質であった静岡市民。
先生は、当時お勤めであった静岡銀行から創業・産業支援施設「SOHOしずおか」へ出向され、インキュベーションマネージャーに就任。しかし、正規の職員は先生のみで、後は4人の臨時女性スタッフという体制。しかも、予算は、人件費と施設の管理費だけで、支援に使える予算は無かったそうである。
それでも、5年間で200件以上の新規事業を立ち上げることができたのは、現状分析をするなかで、起業したいと思ったとき、どんな人(企業、農林水産業従事者、NPO、地縁団体、ボランティア団体、個人など)の相談に応じる相談窓口がないことに気づいた。(商工会議所さんなどは、自分の領域内の相談には応じるが、領域外の相談には応じない。)
そこで、相談に来られた人の話をとことんお聞きし、プロジェクトの一員になることで同じ目線を持ち、パトーナーになれるよう努力した。その結果、成功事例が生まれ、200件以上の起業に結びついた。
産業支援センターでの取り組み
使命は「新たに挑戦しようとする人を多く生み出すこと」
地域で新たな産業を生むためには、チャレンジする人を多く生み出す必要がある。そのためには、分かりやすいメッセージを発信し、相談領域を設けないこと(どんな人の相談にも応じること)が必要。
また、地域としてもチャレンジする人を温かく見守ってくれる地域になってもらいたい。
起業したい(している)人のニーズ
ほとんどの企業(起業者)は、仕事がまわるネットワークづくりを望まれる。そのためには、外との接点をつくることが必要で、だれでも参加できる異業種の交流会を開催し、ネットワークづくりを行った。
起業した人の成功例を分析すると
- 他とは違う着眼点・発想
- 市場調査を実施し、きちんと分析を行っている
- 他との差別化が図られており、オリジナル性がある
- 仕掛けが上手
- 熱い情熱を持ち続け、行動を起こす(チャレンジする)
最も大切なのは、熱い情熱を持ち続け、行動を起こす(チャレンジする)こと。
現在は、インターネットショッピングが普及してきており、上記の4点を踏まえた事業を行えば、笠岡諸島でも起業し、成功することは可能。「しまべん」はその可能性が感じられる。効果的な見せ方(広報のしかた)や戦略を考えて取り組めば今以上に成功する可能性あり。
質問事項に関する回答
商店街の活性化はどうすればいいか
商店街全体を一度に活性化させることは無理だと考えている。商店街は個店の集まりでできており、1店ずつ支援して活性化していくことが商店街全体の活性化につながると考えている。
現在の商店主は、自分のお店のセールスポイントは何かということが分からなくなっている人が多い。センターでは、まず自分の店のセールスポイントは何かということに気づいてもらい、その後、お店の方向性を明確化していくようにしている。