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写真は笠岡湾干拓地のものです。
笠岡湾干拓地は,畜産業の持続的発展と市民生活の質の向上の両立を目指しています。民間事業者の皆様の創意工夫と科学的な知見に基づいたイノベーティブな取組により,笠岡湾干拓地における畜産業と市民生活環境の共生モデルを実現したいと考えています。
皆様からの革新的で実践的なご提案をお待ちしています。
※本事業に対するお問い合わせは,企画政策課にお願いいたします。担当課への直接のお問い合わせはご遠慮ください。
| 解決したい課題 |
○畜産業に由来する臭気問題が発生しており,その苦情の範囲は,笠岡市内だけでなく,近隣市町に及んでいる。 ○臭気対策を進めているが,農家は人手不足の中で,労力や対策資材のコストなどが負担となり取組の継続が難しい。 ○市民や近隣市町からの苦情も多く,畜産業への理解が不十分。 ○すでに市として臭気の低減に繋がる複数の対策を実施しているが,臭気対策と日々の飼養管理や堆肥化作業に要する時間や労働コストを下げる手立ては,まだ確立できていない。 |
|---|---|
| 背景 |
【規模と条件】 ・飼養頭数:当初(平成2年)約1,000頭 現在(令和8年)11,074頭(R8.2.1時点) ※内訳:乳用牛5,449頭,肉用牛5,625頭 ・県内生乳生産量に占める割合:約4割超 ・市街地,住宅地までの距離:1~2キロメートル程度 ・大規模(約3,000頭),小規模(約100頭)農家が16戸干拓地内に隣接して立地しており,風向きによっては,臭気が希釈されないまま市街地に届く。 ・風速の強さによっては,近隣の市町へも臭気が届く状況。
【これまでの取組】 ・令和7年3月「笠岡湾干拓地臭気対策ロードマップ」を策定 畜産農家との協働(ソフト対策・ハード対策・ルールづくり)と,市主体の畜産業振興の両面から対策を推進 ・令和4年8月 臭気報告アプリの運用開始 地域別・時間帯別の臭気到達の状況を把握 令和7年度にAIを活用し,気象庁の情報と報告実績データから,市街地における臭気発生の確率を予測する機能を実装。農家への事前の注意喚起につなげる。 ・臭気分解ネットの設置(市街地に近い牛舎で実証) ・臭気対策資材購入に係る補助金交付制度 ・令和6年9月 干拓地内の7農家と民間事業者による,牛ふんバイオガス発電施設「かぶとバイオファーム発電所」が稼働。1日に4,300頭分の牛ふん処理が可能となり,臭気低減の一躍を担う。 ・干拓地バスツアーやPR看板の設置など,市民理解を広げる取組(令和7年は18回・250名超が参加) ・県や専門機関と共に,全牧場の個別巡回指導を実施 ・令和8年度 (株)リコー社製の移動式臭気測定の実証実験を実施 市街地や干拓地内の臭気の成分や濃度の計測を行い,発生物質に対応した個別の対策に繋げる。臭気報告アプリ「KABAR」の報告内容と連携させて分析を実施中。
【なお残る課題】 これらの取組により,臭気の見える化と処理面の対策は前進しています。一方で,バイオガス発電施設の受入対象とならないふん尿や,牛舎内・堆肥化工程で発生する臭気は残っています。 また,資材の散布や堆肥の切り返しといった対策は,そのまま農家の作業量の増加につながるため,人手不足の中では継続が難しいのが実情です。干拓地内には複数の農家が近接して立地しているため,一農家だけの取組では効果が実感されにくいという構造もあります。 地域の強みである農畜産業を活かした地域活性化を目指すなかで,臭気対策の推進によって,農家と住民がともに暮らせる地域社会をつくりたいと考えています。 |
| 課題(詳細) |
畜産農家では慢性的な人手不足,作業時間を増やさずに臭気低減が見込める方策が求められています。 「堆肥化や衛生管理作業の省力化」や「新たな臭気対策資材の効果検証」,「飼養作業の抜本的な見直し」など,先進的な技術や新たなノウハウの実証を通じて,各農家が適切な臭気対策を「あたりまえの作業」として継続できる状態を目指しています。
【現在の作業の流れと課題の所在】 ・作業工程の一例 牛舎での飼養→敷料の交換→堆肥化処理(個別処理/かぶとバイオに搬入)→堆肥(かぶとバイオから出た液肥含む)を圃場に散布→粗飼料の栽培→粗飼料を牛に与える ※干拓地内での循環型農業(完成堆肥は,粗飼料生産のためだけでなく,干拓地内で野菜を育てている耕種農家も活用している。) ※臭気対策資材については,牛舎に撒くものや堆肥に混ぜるものなど,農家によって利用しているものや使用のタイミングが異なる。 ※完成した堆肥については,自社で流通先や使用先を確保している農家や,一次発酵が完了した堆肥を共同堆肥舎に持ち込み,共同で管理している農家があります。
人手不足でも臭気を発生させないスマート畜産モデル,営農形態は異なれど,農家が一丸となって臭気対策に取り組む状態を実現するための解決策を求めるものです。 |
| 求める解決策および想定する実証実験内容 |
臭気対策が,住民の生活環境改善を目指すだけでなく,作業の省力化やコスト削減をはじめ,牛舎内の衛生環境の向上や牛へのストレス軽減など,農家にとってのメリットを生み出しつつ,継続的な取組につながる仕組みを実現したいと考えています。
【取組の一例】※あくまでも例であり,全く異なるアプローチでも構いません。 ○堆肥化作業等の自動化や省力化など,農家負担の軽減につながる機材やシステムの提案や実証 (例)自動ホイルローダーによる堆肥作業の自動化など ○牛床環境の向上や牛のストレス軽減につながる取組 (例)微生物や菌等の活用によって,衛生的な牛床環境を持続的に形成する取組など ○臭気低減・省労力・低コストが見込める高効率な新資材の実証 (例)新たな対策資材の実証試験など
【実証の進め方】 ・時期:採択後に協議のうえ決定します ・場所:笠岡湾干拓地内の畜産農家の牧場または共同堆肥舎 (協力農家への調整は,市で対応します) ・関係者:市(農政水産課),協力畜産農家,必要に応じて県・ 関係機関
【効果検証の方法(案)】 農家の作業負担を増やさずに臭気を低減する手法の開発・検証を実施する想定です。移動式臭気測定器による測定値,KABARの報告状況,農家の作業時間の3つを組み合わせる方向で考えていますが,採択後に協議することとします。 【今年度目標】 対象牧場周辺での臭気測定値,または市街地からの臭気報告に改善の傾向が確認できること ※具体的な数値目標は採択後に協議します |
| 提供可能なデータ |
・臭気報告アプリ「KABAR」に蓄積された市民からの臭気報告データ(令和4年8月以降,地域別・時間帯別) ・実証フィールドとしての牧場,および畜産農家との調整 |
| 留意事項 |
・牛舎への立ち入りや機材の設置には,各農家の同意と防疫上の配慮が必要です。 ・家畜の健康・生産性に影響を与えない範囲での実証をお願いします。 |
| 実証実験成功後の発展性 |
・畜産による臭気問題は全国的な課題となっており,市街地に近接した大規模畜産地域という同様の構造を持つ地域への展開が期待できる。 ・自動化や省力化に資する資機材やシステムの導入により,農家が継続的に環境改善や臭気対策に取り組むことができる。 ・本市としては,実証の成果に応じて,取組の継続や市内他農家への展開を検討します。 |
| 参 考 |
【笠岡市での取組状況】 ・笠岡湾干拓地臭気対策ロードマップ(令和7年3月策定) ・定期的な立入検査と巡回指導(岡山県や専門機関) ・移動式臭気測定器(R8から試験的運用) 原因物質に効果のある資材利用や飼養管理の指導 ・臭気対策資材補助制度の開始 ・臭気報告アプリ「KABAR」の運用 市民通報に基づいた臭気発生状況の把握 蓄積データに基づいた農家へのAI臭気予報の提供 ・臭気分解ネットの設置(市街地に近い牛舎で効果検証中) ・牛ふんバイオガス発電施設「かぶとバイオファーム発電所」の稼働(令和6年9月) ・干拓地バスツアー,道の駅へのPR看板設置,農フェスの開催 |