岡山の近代日本画-新収蔵・大林千萬樹作品を中心として-
岡山の近代日本画 -新収蔵・大林千萬樹作品を中心として-
平成29(2017)年7月28日(金曜日)~9月18日(月曜日)
笠岡市立竹喬美術館では開館以来,小野竹喬(1889-1979)と同時代に活躍した岡山の近代日本画家に関する調査研究を運営上重要なテーマと位置づけ,作品調査や展示を行ってきました。この中で,岡山を代表する美人・風俗画家の大林千萬樹(1887-1959)については,笠岡出身で繊細な美人画を得意とした上島鳳山とともに,度々紹介してきました。
千萬樹は岡山市に生まれ,若くして上京,富岡永洗に日本画を学び,ついで川合玉堂,鏑木清方に師事。1913年第13回巽画会で《胡笳の聲》が褒状一等となり,翌年には再興第1回院展に《編笠茶屋》が初入選以降,4回展まで連続入選し,第9回院展に《紅粧》が入選しています。院展出品作の多くは現在確認されませんが,今回出品作の《むすめ》には清方に学んだ,たおやかで柔和な女性表現がみられます。大正末期より奈良に住み,のちに名古屋に移り,昭和10年代には京都に住むなど各地に足跡を残した画家でした。
このたび昭和初期から千萬樹の後援者であった奈良県の松井時子氏(故人)から,江戸の女性達の旅姿を描いた《旅路》をはじめ14点の千萬樹作品をご寄贈いただきました。千萬樹といえば美人画に注目されることが多いですが,寄贈作品には《桜狩》や《盆踊》など四季を感じる作品や,故事にちなんだ作品もあり,新収蔵品と個人所蔵などをあわせた22点の千萬樹作品から,千萬樹絵画の多彩な表現をみることができます。
また,岡山県ゆかりの日本画家たち,笠岡市出身で大阪画壇で活躍した上島鳳山(1875-1920),瀬戸内市出身で竹内栖鳳の弟子となり京都・岡山で活躍した東原方僊(1886-1972),岡山市出身で鮮やかな彩色が魅力の高橋秋華(1877-1952),竹喬に大きな影響を与えた兄である小野竹桃(1880-1959)など多彩な作家たちの作品もあわせて,約70点をお楽しみください。
開館時間
9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日
毎週月曜日(9月18日は開館)
入館料
一般500円(400)
( )内は団体20名以上
※高校生以下は無料(学生証を提示してください。)
※65歳以上の方は無料(年齢のわかるものを提示してください。)
関連行事
●講座
「大林千萬樹作品の魅力について」
講師:上薗四郎(当館館長)
8月13日(日曜日)13時30分~15時
会場:竹喬美術館視聴覚室
※聴講料は無料ですが、入館料が必要です。
募集定員40名(要申込)
●学芸員による対話型ギャラリートーク
7月30日(日曜日)、8月27日(日曜日)、9月10日(日曜日)
13時30分~14時30分
※詳細は美術館までお尋ねください(0865-63-3967)