特別陳列「詩を謳うように、版を刻む 日本の版画 万華鏡」
令和4年1月15日(土曜日)~令和4年3月13日(日曜日)
日本は、浮世絵版画を中心に古くから版画の国として知られてきました。幕末以後、版画の近代化は、日本画や洋画にくらべると遅れをとりましたが、明治末に石井柏亭や山本鼎らが創刊した雑誌『方寸』を中心に、浮世絵版画とは異なる近代の意識に基づいた創作版画が隆盛します。以後、日本の近代版画は、美術の一分野として大正から昭和にかけて着々と発展を遂げ、国内外でも高く評価されました。
本展では、大正から昭和にかけて版画の勃興につとめた平塚運一(1895-1997)から森谷南人子(1889-1981)、戦後の版画界をリードした斎藤清(1907-1997)、畦地梅太郎(1902-1999)、池田満寿夫(1934-1997)などの作品を一堂にご紹介します。あわせて、平成29(2017)年1月に逝去した銅版画の名手、深沢幸雄(1924-2017)を取り上げま す。深沢は、山梨県に生まれ、昭和29(1954)年から銅版画を独習し、第25回日本版画協会展で協会賞を受賞しました。昭和38(1963)年からは、海外へと活動を広げ、メキシコ国際文化振興会の依頼によりメキシコシティで銅版画の技法を伝授。平成6(1994)年には、メキシコの勲章「アギラ・アステカ」を受章しました。92歳まで創作への情熱を燃やし続け、1000点あまりの銅版画、書(詩)、油彩画、陶芸、ガラス絵など、多彩な作品を残しました。特に、人間の豊さを、詩を謳うように、版に刻んだ銅版画家としての一面は、深沢芸術の真髄といえます。
本展は、大正・昭和・平成のそれぞれの時代に、自由で多彩な制作に打ち込んだ版画家たちの情熱を“万華鏡”のように味わっていただけることでしょう。是非この機会にご堪能ください。
深沢幸雄《めし》昭和31(1956)年
開館時間
9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日
毎週月曜日
入館料
・ 一般500円(400) ( )内は団体20名以上
・ 高校生以下は無料 (学生証を提示してください)
※65歳以上は無料(年齢のわかるものを提示してください)
関連行事 ※詳細のお問合せは美術館まで(0865-63-3967)
■講座 要予約
「晩年の深沢先生 その詩心に触れる」
1月16日(日) 13:30~15:00 竹喬美術館視聴覚室
講師:上薗四郎(当館顧問)
■ギャラリートーク 予約不要
1月30日(日)、2月20日(日)、3月6日(日)
各日13:30~14:30
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、予定を中止、変更とする場合があります。
ご来館前に当館ホームページなどで最新の情報をご確認ください。