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《特別展》歴史を旅する谷口香嶠

令和3年10月23日(土曜日)~令和3年12月5日(日曜日) 

 このたび、笠岡市立竹喬美術館では、歴史画家として数々の名作を残した谷口香嶠(1864~1915)の画業を検証します。

 香嶠は、大阪の日根野(現在の泉佐野市日根野)で木綿問屋を営む辻家の次男として京都で生まれました。幼少のころから日蓮宗宝塔寺(京都市)に預けられ、漢籍を中心とした教育を受けたことで有職故実への教養を深めていきます。その一方で絵画を好み、独学で絵を学びました。明治15(1882)年に谷口家の養子となった香嶠は、その翌年に四条派の幸野楳嶺に入門したことで、本格的に画家の道を歩むようになります。

 幼少の頃から培われた和漢の歴史や仏教に関する知識は、《賊兵襲多治見国長邸図》(ぞくへいたじみくにながていをおそうず)(1894年頃)、第4回内国勧業博覧会《拈華微笑図》(ねんげみしょうず)(1895年)、第4回新古美術品展《屈原図》(くつげんず)(1898年)、第1回文展《残月山媼図》(ざんげつやまんばず)(1907年)など、数多くのまさしく歴史に残る歴史画を生み出しました。

 歴史画家としての地位を確立するとともに、工芸図案を手掛けており、『工芸図鑑』などの図案集の刊行にも尽力しました。歴史画という一見、硬直な画題を主としながらも、図案においてはモダンな感性を示し、また時に描いた風俗画においては琳派風のたらし込みを用いるなど、機知に富んだ画風を展開しました。

 香嶠は、竹内栖鳳や菊池芳文、都路華香とともに楳嶺四天王の一人に数えられながらも、没後間もない時の遺作展を除き、回顧展は開かれていません。今回の展覧会は、歴史画に、工芸図案家としての作品、また風俗画を加えた約80点により、多彩な香嶠の画業をたどります。代表作や初公開作品が一堂に会するまたとない回顧展として、また、香嶠芸術を再評価する絶好の機会となるでしょう。

《屈原》(部分)1898年 練馬区立美術館蔵

《屈原》(部分)1898年 練馬区立美術館蔵

開館時間

 9時30分~17時(入館は16時30分まで) 

 

休館日

毎週月曜日

 

入館料

・ 一般800円(650) ( )内は団体20名以上

・ 高校生以下は無料 (学生証を提示してください)

 ※市内在住65歳以上は無料(住所年齢のわかるものを提示してください)

 

関連行事 ※詳細のお問合せは美術館まで(0865-63-3967)

■特別ギャラリートーク(1)

「歴史画家・谷口香嶠の多彩な画業」

講師:藤本真名美氏(和歌山県立近代美術館学芸員)

日時:11月14日(日曜日)13時30分~14時30分  

 

■特別ギャラリートーク(2)

「描画の技術と京都」

講師:森山知己氏(倉敷芸術科学大学教授 日本画家)

日時:11月28日(日曜日)13時30分~14時30分

           

■学芸員によるギャラリートーク

10月23日(土曜日)、11月7日(日曜日)、23日(火・祝)  

いずれも13時30分~14時30分

詳細は美術館にお尋ねください(0865-63-3967)。

 

 

<外部リンク>

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