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竹喬美術館平成24年度展覧会 入江波光展

特別展 入江波光 展

 2013年2月2日(土曜日)~3月17日(日曜日)

入江波光展ちらし

 国画創作協会展(こくがそうさくきょうかいてん)で活躍した京都の日本画家・入江波光(いりえはこう、1887-1948)の、ロマンに満ちた画業を回顧する展覧会を開催します。

 波光は明治20(1887)年に京都市に生まれ、初め四條派の森本東閣(とうかく)に学びました。明治34年に京都市立美術工芸学校(美工)に入学し、同窓であった村上華岳(かがく)や榊原紫峰(しほう)と親交を結びます。同38年の美工卒業後、志願して陸軍に入隊し一年後に除隊、そののち、同40年に美工研究科に進み、42年には京都市立絵画専門学校(絵専)本科に入学して、44年に華岳、紫峰、小野竹喬、土田麦僊(ばくせん)らと卒業します。美工在学中の明治40年の第1回文展に《夕月》が入選しますが、その後の文展での活躍は認められません。また絵専卒業制作の《北野の裏の梅》は同年の第16回新古美術品展で四等を得て、竹喬や麦僊との交流が深まる契機となります。

 大正7(1918)年の国画創作協会の設立に際しては、同人となることを勧められましたが、結局、第1回国展で《降魔(ごうま)》が国画賞を受賞した翌年から同人となり、国展を代表する画家となります。仏教絵画を主とする古典絵画の徹底した研究にもとづくロマンチックな作品を前期国展に発表したのち、同11年から翌年にかけての渡欧後は、古代ローマ時代のフレスコ画の影響を受けた緑色の薄靄に包まれたような甘美な世界を描きました。昭和3(1928)年の国展解散後は画壇を離れ、教職に専念しながら水墨画の世界に練達の技を展開していきます。

 波光は、創作の画家とあると同時に美工や絵専における優れた教育者であり、また模写の第一人者でもありました。とりわけ模写として主導的立場で取り組んだ《北野天神縁起(弘安本)》や法隆寺金堂壁画六号壁《阿弥陀浄土変》を見ると、古典の妙技をその精神にまで切り込んで再現しようとする求道者の姿を認めます。

 今回の企画では、名利を求める画壇と一線を画して、東洋や西洋の絵画の本質を見極めたうえで墨戯の世界に至った澄明な波光芸術を、代表作50点と模写・素描30点により辿ろうとするものです。現代日本画が失った崇高なロマンと高度な絵画テクニックを存分に楽しんでいただければ幸いです。

開館時間

9時30分~17時(入館は16時30分まで)

休館日

毎週月曜日(ただし、祝日にあたる2月11日は開館し、12日は休館) 

入館料

一般800(650)円
高校生500(350)円
市外小中学生300(150)円
( )内は団体20名以上
笠岡市内の小中学生及び笠岡市内の65歳以上は入館無料 ※それぞれ、お住まいと年齢のわかるもの、笠岡っ子無料パスを提示してください。
前売券販売所…(井原市)田中美術館、華鴒大塚美術館 (矢掛町)やかげ郷土美術館 (倉敷市)倉敷市立美術館 ※前売り券は一般個人のみ700円

関連行事

・講演会

 「波光芸術の今日的意義」 上薗四郎(当館館長)

 2月16日(土曜日) 13時30分~15時 竹喬美術館視聴覚室

 聴講無料、要予約(電話0865-63-3967)

・美術講座

いずれも竹喬美術館視聴覚室 13時30分~15時 聴講無料、要予約(電話0865-63-3967)

 (1)「入江波光《彼岸》(京都市美術館蔵)の修復について」

    山本之夫氏(山本陽光堂社主)  2月3日(日曜日)

 (2)「入江波光作《葡萄と栗鼠図》(華鴒大塚美術館蔵)の模写について」

    森山知己氏(日本画家) 2月10日(日曜日)

 (3)「入江波光の模写について―技法を探る」

    川嶋渉氏(日本画家・京都市立芸術大学准教授) 3月3日(日曜日)

・ギャラリートーク

 2月2日(土曜日)、2月23日(土曜日)、3月17日(日曜日)

 いずれも13時30分~14時30分、聴講無料(ただし入館料が必要)

・お茶会(笠岡茶道連盟主催)

 2月24日(日曜日) 10時~16時

 有料300円(入館料が必要)

<外部リンク>

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