竹喬美術館平成25年度展覧会 日本画家が描いた西洋風景
特別展 日本画家が描いた西洋風景-滞欧作を中心として-
2013年12月14日(土曜日)~2014年1月26日(日曜日) ※1月7日(火曜日)より一部展示替
このたび笠岡市立竹喬美術館では、明治以後に欧州に渡った日本画家が西洋の風景や風俗を描いた作品を一堂に会する展覧会を開催します。
近代の日本画家は、古来よりの日本絵画の歩みを基礎に置き、明治初期からの本格的な西洋絵画の流入を受け、その絵画理論と技法を日本画の伝統の中に摂取してきました。この動きが最も活発になるのが大正時代であり、その中で国画創作協会や再興院展の画家が急進的な展開を遂げます。そして、両団体の画家はいずれも大正10(1921)年以降の渡欧経験をへて、それまでの西洋絵画に対する憧れから脱し、日本や中国の古典絵画を見直すようになります。これらのいわば第一世代は、「西洋絵画の研究」という課題を持って欧州にわたり、その芸術に没入するだけでなく、風土や風俗を描くことによって却って東洋への回帰を示しました。
これに対して、第二次世界大戦後に欧州に渡った堂本印象などは、西洋絵画についての囚われはすでになく、戦後に標榜された日本画第二芸術論も作用して純粋に西洋の風物景観を描きたいという欲求を持っていました。彼らの中には、世界の美術が目まぐるしく変化するさまを改めて実感し、抽象的な日本画を展開する画家も登場します。
今回の展覧会では、これら二つの視点のもと、二部構成により日本画家が描いた西洋の風景を滞欧作を中心に紹介します。このたびの展示作品が、画家の個性を越えて、日本と西洋の美意識が交錯するさまを如実に示すことになれば幸いです。
開館時間
9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日
毎週月曜日(祝日にあたる12月23日と1月13日は開館、翌日休館)
年末年始にあたる12月29日~1月3日
入館料
一般800(650)円
高校生500(350)円
市外小中学生300(150)円
( )内は団体20名以上
笠岡市内の小中学生及び笠岡市内の65歳以上は入館無料
※それぞれ、お住まいと年齢のわかるもの、笠岡っ子無料パスを提示してください。
前売券販売所…(笠岡市内)中央公民館、カブトガニ博物館、市民課、図書館、市民会館 (笠岡市外)井原市立田中美術館、華鴒大塚美術館、やかげ郷土美術館、倉敷市立美術館 ※前売り券は一般個人のみ700円
関連行事
◇講演会「国画創作協会と西洋絵画-渡欧の成果をめぐって-」
講師:上薗四郎(竹喬美術館長)
12月22日(日曜日) 13時30分~15時 笠岡市立竹喬美術館視聴覚室にて
聴講無料(ただし入館料が必要) 要申込(電話0865-63-3967)
◇ギャラリートーク
2013年12月14日(土曜日)、2014年1月4日(土曜日)
いずれも13時30分~14時30分 聴講無料(ただし入館料が必要)
◇講座
いずれも13時30分~15時 笠岡市立竹喬美術館聴覚室にて
聴講無料(ただし入館料が必要) 要申込(電話0865-63-3967)
(1)素材が語る絵画 講師:浅野均氏(日本画家) 1月11日(土曜日)
(2)西洋絵画の受容-エドワード・マネを中心として- 講師:池田清明氏(洋画家) 1月18日(土曜日)
助成
財団法人 自治総合センター