《特別展》幸野楳嶺が伝えたこと
平成30(2018)年12月21日(金曜日)~平成31(2019)年2月3日(日曜日)
竹内栖鳳など近代京都画壇の俊英を育てた重要人物
このたび笠岡市立竹喬美術館では、江戸から明治へ、近世から近代へという時代の変革期を生き、優れた作品を制作するとともに、数多くの英俊を育てた幸野楳嶺の展覧会を開催します。
幸野楳嶺(1844~1895)は、天保15/弘化元年、京都に生まれ、嘉永5(1852)年に円山派の中島来章に学んだ後、明治4(1871)年からは、四条派の塩川文麟に学びました。明治9(1876)年の第5回京都博覧会で褒状、明治15(1882)年の第1回内国絵画共進会では審査員を務めるなど、画家として高く評価されていた楳嶺は、後進の育成にも積極的でした。
楳嶺の作品は、師の来章や文麟より継承した伝統的な円山四条派の画風とともに、謹直な性格を反映した写生へのこだわりを感じさせます。その写生重視の制作姿勢は、師から弟子へとさらに継承されることになりました。
楳嶺には、「楳嶺四天王」と呼ばれる菊池芳文、谷口香嶠、竹内栖鳳、都路華香という高弟がいました。いずれも近代京都画壇を牽引した、近代日本絵画史において重要な画家たちです。楳嶺は、画家としてだけではなく、教育者としても大きな役割を果しましたが、現在、四天王と呼ばれる画家たちほど高い評価を受けていません。しかし、時代の変革期という狭間を埋める役割を見事に果し、近代化へと突き進む時代の変遷に臨機応変に対応した姿勢は、見直されるべき功績です。
本展覧会では、楳嶺の師文麟をはじめ、楳嶺四天王や楳嶺周辺の画家の作品をあわせて展観することで、楳嶺を多角的な視点で見つめ直し、楳嶺作品を中心とした80点の作品から、楳嶺が師から弟子へと伝えた四条派の技法や精神性に迫ります。
開館時間
9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日
毎週月曜日、年末年始(12月29日~1月3日) ※ただし1月14日(月・祝)は開館し、15日(火)は閉館します。
入館料
・ 一般800円(650) ( )内は団体20名以上
・ 高校生以下は無料 (学生証を提示してください)
※笠岡市内在住の65歳以上は無料、笠岡市外在住の65歳以上は団体料金
(住所・年齢のわかるものを提示してください)
関連行事 ※詳細のお問合せは美術館まで(0865-63-3967)
講演会・講座に参加をご希望の方は美術館までお申込み下さい。
(0865-63-3967)
●講演会「架け橋となった楳嶺 -近世から近代へ-」
講師:森光彦氏(京都市学校歴史博物館学芸員)
日時:12月23日(日・祝) 13:30~15:00 視聴覚室
●講座「楳嶺が生きた時代 -京都画壇の諸相-」
講師:柴田就平(当館学芸員)
日時:1月20日(日) 13:30~15:00 視聴覚室
●学芸員によるギャラリートーク(申込不要)
1月4日(金)、1月27日(日) 各日13:30~14:30
新春イベント
●「お正月ミュージアムグッズ福引」
日時:1月4日(金) 9:30~16:30
●「干支ペーパークラフト・チャレンジ教室」
日時:1月4日(金)~14日(月・祝) 9:30~16:00
参加費別途100円 小学生以上対象
助成
芸術文化振興基金