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《特別陳列》新収蔵 猪原大華と岩倉壽

令和2年8月29日(土曜日)~10月11日(日曜日) 

 猪原大華(本名壽)は明治30(1897)年広島県深安郡神辺町(現福山市)に生まれ、大正7(1918)年に金島桂華の勧めで京都市立絵画専門学校に入学します。土田麦僊に師事し、その後西村五雲の塾に入り、昭和13(1938)年に五雲が亡くなってからは、山口華楊らと晨鳥社を結成します。戦後は自然をより深く見つめ、造形の奥にある存在感を描き出すような画風を展開しました。
 岩倉壽は昭和11(1936)年香川県三豊郡山本町(現三豊市)に生まれ、昭和30(1955)年京都市立美術大学美術学部日本画科に進学しました。そこで、当時講師であった大華に出会います。在学中に第1回新日展で初入選し、卒業後には晨鳥社に加わります。昭和47(1972)年に第4回改組日展で《柳図》が特選となるなど、日展を中心に活躍し、平成30(2018)年に亡くなられました。
 大華と岩倉、偶然にも同じ名前の二人の作品を見比べると、共鳴する魅力があることに気づきます。岩倉は大華を敬愛しており、大華没後の個展に寄せたコメントで「対象を深く凝視し、自分自身の心の奥を確認しながら、一筆一筆進められた先生のお姿が作品の裏から、しみじみと伝わって来ます」と記しています。それは同じように対象に誠実に向き合う、岩倉自身の姿勢とも共通しています。
 このたび竹喬美術館に大華作品9点、岩倉の日展出品作を含む17点の作品が寄贈されました。特に大華の昭和47(1972)年の第25回晨鳥社展に出品した《部屋の花》は、野の花の強さと瑞々しさとともに、どこか温かいなつかしさを感じさせる作品です。また岩倉の平成21(2009)年第41回日展の《比叡遠望》は、岩倉の自宅から見える比叡山を窓の外に望む構図です。白昼夢のように優しく、穏やかで純粋な世界が画面の中に広がっています。
 愚直なまでに画道を全うした二人の作品は、これまで二人展として紹介されたことはありませんでした。二人の作家が紡ぐ、心地よい自然の中で心を遊ばせてみませんか。

岩倉壽《比叡遠望》  岩倉壽《比叡遠望》 2009年

 

開館時間

 9時30分~17時(入館は16時30分まで) 

 

休館日

毎週月曜日(9月21日(月・祝)は開館し、23日(水)は休館します。)

 

入館料

・ 一般500円(400) ( )内は団体20名以上

・ 高校生以下は無料 (学生証を提示してください)

 ※65歳以上は無料(年齢のわかるものを提示してください)

 

関連行事 ※詳細のお問合せは美術館まで(0865-63-3967)

● 講座「凝視から表象へ-二人の壽-」 ※要予約

  講師:上薗四郎(当館顧問)

  日時:9月27(日曜日) 13時30分~15時00分

  場所:竹喬美術館視聴覚室

● 学芸員によるギャラリートーク ※予約不要

  日時:8月30日(日曜日)、9月20日(日曜日) 各日13時30分~14時30分

  場所:竹喬美術館

 

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