○笠岡市職員の分限処分の基準等に関する要綱
平成24年8月15日
訓令第13号
(目的)
第1条 この要綱は,笠岡市職員の分限に関する手続及び効果に関する条例(昭和27年笠岡市条例第37号。以下「条例」という。)に定めるもののほか,地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第28条第1項に規定する分限処分を行う場合の具体的な手続等を定め,一定の事由により職責を十分に果たすことのできない職員に対して,厳正かつ適切に対応することにより,公務の適正かつ能率的な運営を確保することを目的とする。
(分限処分の対象職員)
第2条 職員が次の各号のいずれかに該当するときは,当該職員は,分限処分の対象となるものとする。
(1) 勤務成績の不良又は当該職に必要な適格性を欠くとき。
(2) 心身の故障のため,職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えないとき。
(3) 行方不明のとき。
(1) 無断欠勤,無断離席等を繰り返す職員
(2) 業務の処理を繰り返し怠る職員
(3) 初歩的な業務上の過ちを繰り返す職員
(4) 業務上の重大な過失を犯した職員
(5) 職務命令に違反し,又は従わない職員
(6) 職場において暴力,暴言又は誹謗中傷を繰り返す職員
(7) 市民等との間に,頻繁にトラブルを起こし,その責めが自己にあると認められる職員
(8) 受診命令,療養への専念の指導等に従わない職員
(9) 前各号に掲げるもののほか,勤務成績の不良又は当該職に必要な適格性を欠くと任命権者が認める職員
(指導対象職員への指導)
第5条 所属長は,必要と認める期間,指導対象職員に対して注意及び指導を行うとともに,必要に応じて職場研修等を実施するものとする。この場合において,所属長は,当該指導対象職員に対する注意及び指導の内容並びに職場研修等の実施状況について,勤務状況等報告書(様式第3号)に記録しなければならない。
2 所属長は,前項に規定する措置を講じたにもかかわらず,当該指導対象職員の状況に改善が見られないときは,勤務状況等報告書を任命権者に提出し,報告しなければならない。
(分限処分の告知)
第6条 任命権者は,前条第2項に規定する報告があったときは,関係職員(当該指導対象職員を含む。)から事情を聴取するものとする。
(警告書に係る弁明の機会の付与)
第7条 前条第2項に規定する警告書の交付を受けた指導対象職員は,交付の日から14日以内に,任命権者に対して文書により弁明を行うことができる。
(1) 法第28条第2項第1号の規定による休職(以下「病気休職」という。)期間が,条例第3条に規定する期間に達するにもかかわらず,病状が回復せず,以後の職務遂行に堪えない職員
(2) 笠岡市職員の勤務時間,休日及び休暇に関する条例(昭和37年笠岡市条例第16号)第12条に規定する病気休暇(以下「病気休暇」という。)又は病気休職を繰り返して,直近5年間のこれらの期間の累計が3年を超え,以後も同様の状態が継続し,職務の遂行に支障があると見込まれる職員
(3) 第3条各号に掲げる職員について,その原因が心身の故障によるものと思料される職員
(1) 更に療養又は休養を要する。
(2) 療養又は休養によっても治癒し難い心身の故障がある。
(行方不明の職員への対応)
第15条 職員が1月以上にわたり行方不明であるときは,原則として免職処分とする。
2 所属長は,所属職員の所在が不明であることが明らかとなった場合は,直ちにその旨を任命権者に職員の行方不明に関する報告書(様式第8号)により報告するものとする。
3 所属長は,前項に該当する職員について,適宜その家族等に対しその所在の確認を行うとともに,その事跡を記録するものとする。
(その他)
第16条 この要綱により難いものの処分等の取扱いについては,笠岡市職員分限懲戒審査会で審査し,市長が定める。
附則
(施行期日)
1 この要綱は,公布の日から施行する。
別表第1(第3条関係)
勤務成績の不良又は当該職に必要な適格性を欠く場合の留意点 | |
1 第2条第1号に掲げる勤務成績の不良又は当該職に必要な適格性を欠くと評価することができる事実の例 | |
(1) 勤務を欠くことにより職務を遂行せず,業務に著しい支障を及ぼした。 | ア 長期にわたり又は繰り返し勤務を欠き,又は勤務時間の始め若しくは終わりに繰り返し勤務を欠いた。 |
イ 業務と関係ない用事で度々無断で長時間席を離れた(欠勤処理がなされていない場合でも勤務成績不良と評価され得る。)。 | |
(2) 割り当てられた特定の業務を行わなかった。 | |
(3) 不完全な業務処理により職務遂行の実績が上がらなかった。 | ア 業務のレベルや作業能率が著しく低かった。 |
イ 業務ミスを繰り返した。 | |
ウ 業務を1人では完結できなかった。 | |
エ 所定の業務処理を行わなかった。 | |
(4) 業務上の重大な過失又は失策を犯した。 | |
(5) 職務命令に違反したり,職務命令(第11条の受診命令及び療養への専念の指導等に従わない場合を含む。)を拒否した。 | |
(6) 上司等に対する暴力,暴言,誹謗中傷等を繰り返した。 | |
(7) 協調性に欠け,市民や他の職員と度々トラブルを起こした。 | |
(8) 病気休暇又は笠岡市職員の勤務時間,休暇等に関する条例第13条に規定する特別休暇をその理由がないにもかかわらず取得することを繰り返した。 | |
(9) 非違行為により法第29条の規定による懲戒処分を受けたにもかかわらず,同様の行為を繰り返している。 | |
(10) 前各号に掲げるもののほか,勤務成績が良くないことが客観的に明らかであって,今後もその改善又は是正が見込めない。 | |
2 資料収集を行うこと。 | |
(1) 第2条第1号の勤務成績の不良又は適格性欠如に該当するか否かの判断は,単一の事実や行動のみをもって判断するのではなく,一連の行動等を相互に有機的に関連付けて行うものであるので,次に掲げる客観的な資料を収集する必要がある。 | ア 職員の勤務成績を判断するに足りると認められる事実を記録した文書 |
イ 職員の勤務成績が他の職員と比較して明らかに劣る事実を示す記録 | |
ウ 職員の職務上の過誤,当該職員についての苦情等に関する記録 | |
エ 職員に対する指導等に関する記録 | |
オ 職員に対する分限処分,懲戒処分その他服務等に関する記録 | |
カ 職員の分限上申書又は職務状況に関する報告 | |
(2) 特に,職員の職務上の過誤,当該職員についての苦情等の具体的な事実が発生した場合は,その都度,詳細に記録を作成してすること。 | |
(3) 次に掲げる指導又は措置を行った場合は,その内容を記録しておくこと。 | ア 所属長の注意又は指導に関すること。 |
イ 当該職員が従事する職務及び業務の見直しを行ったことに関すること。 | |
ウ 職員の矯正を目的とした研修に関すること。 | |
エ その他職員の矯正のために必要と認める措置に関すること。 | |
3 問題行動が心の不健康に起因すると思われる場合は,所属長は,職員に積極的に話しかけて事情を聞くほか,必要に応じて同僚等に職員の状況の変化の有無を聞くとともに,衛生管理者等と対応を相談するものとする。 | |
4 問題行動の中には懲戒処分の対象となる事実も含まれている場合もあることから,当該事実を把握した任命権者は,分限処分及び懲戒処分の目的,性格等に照らし,総合的な判断に基づいてそれぞれ処分を行うなど厳正に対応する必要がある。 |
別表第2(第10条関係)
心身の故障のため,職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えない場合の留意点 |
1 治癒し難い心身の故障があるとの診断がなされなかった場合の対応 第11条により任命権者が指定した医師2人のうち,少なくとも1人が第13条第1項に規定する判断をしなかった場合は,法第28条第1項第2号に該当すると判断することはできず,職員本人並びに主治医及び産業医と相談した上で,円滑な職務復帰を図っていくなどの対応を行う必要がある。 |
2 医師による適切な判断を求める努力 職員の心身の故障の回復の可能性及び職務遂行の可否を判断するための医師の専門的判断は,職場の実態や職場における実情等に基づく必要がある。そのため,診断する医師にその実情を十分に伝え,適切な判断を求めていくことが必要である。 |
3 病気休職期間満了前からの準備 3年間の病気休職の期間が満了する場合は,その期間満了前から,当該職員や主治医と緊密に連絡を取って病状の把握に努め,第11条に規定する医師2人の診断を求める必要があるかどうか検討しておく。 |
4 病気休暇又は病気休職の累計が直近5年間において3年を超える場合の対応 第10条に該当する場合(病気休暇又は病気休職を繰り返して,直近5年間のそれらの期間の累計が3年を超え,そのような状態が今後も継続して,職務の遂行に支障が有ると見込まれる場合)は,第11条の医師の診断を求めることとなるが,当該病気休暇及び病気休職の原因である心身の故障の内容が明らかに異なるときは,これには該当しないものとして取り扱う。 |
5 受診命令違反の場合の留意点 第11条の受診命令に従わない場合に行われる分限免職は,法第28条第1項第3号に基づく処分であるから,職員が正当な理由なく受診命令を拒否したことのほか,別表第1第2項に掲げる客観的な資料により,次の各号のいずれにも該当すると認められることを確認して行うものとする。 (1) 当該職員が有していると思われる疾患又は心身の故障のため,職務の遂行に支障があり,又はこれに堪えない状況にある。 (2) 受診命令拒否その他の行動,態度等から,当該職員が当該職に必要な適格性を欠く。 |