○笠岡湾干拓地内の臭気に係る条例

令和4年12月22日

条例第31号

(目的)

第1条 この条例は,笠岡湾干拓地内の健全な畜産環境の保持に関する基本理念を定め,市及び事業者の責務を明らかにするとともに,笠岡湾干拓地内からの臭気に対する施策の基本事項を定めることにより,市民,市及び事業者が将来にわたり共存・共生しうる社会を構築することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の定義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 事業者 笠岡湾干拓地内において畜産業を営む者をいう。

(2) 健全な畜産環境の保持 健全なる意思のもと,牛舎及び堆肥舎の管理や農地への堆肥の散布等を適正に行い,かつ家畜排せつ物を適正に処理し,生活環境に対する悪影響が出ない状態を保ち続けることをいう。

(3) 環境負荷 事業者の事業活動により環境に加えられる影響であって,健全な生活環境において支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(基本理念)

第3条 笠岡湾干拓地内の健全な畜産環境の保持は,市,事業者が自らの責務を自覚し,自主的かつ積極的な取組により行うこととし,本市の豊かな自然環境を未来の世代に継承していくことを基本理念として行うものとする。

(市の責務)

第4条 市は,事業者との合意の上,健全な畜産環境の保持に関する基本的かつ総合的な施策を策定し,実施するものとする。

2 市は,前項の施策の策定及び実施に必要な財政上の措置をするよう努めるものとする。

3 市は,第1項の施策の策定及び実施において,その進捗を適宜公表するとともに,説明責任を果たすよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第5条 事業者は,その事業活動を行うに当たっては,事業活動に伴って生ずる環境負荷が最小限になるよう必要な措置を講じるものとする。

2 事業者は,市が実施する健全な畜産環境の保持に関する基本的かつ総合的な施策に協力するとともに,自らも環境負荷の低減に資する活動を実施するよう努めるものとする。

(施策の基本方針)

第6条 市は,第3条に定める基本理念にのっとり,次に掲げる基本方針に基づく施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。

(1) 健全な畜産環境の保持に係る意識の向上を図ること。

(2) 家畜排せつ物の適正な処理を進め,環境負荷の低減を図ること。

(規制基準の設定)

第7条 市長は,健全な畜産環境の保持を図るために必要な規制基準(以下「規制基準」という。)を規則で定めるものとする。

(規制基準の遵守義務)

第8条 事業者は,規制基準を遵守しなければならない。

(改善勧告)

第9条 市長は,事業者が規制基準を遵守していないと認めるとき,又は遵守されないおそれがあると認めるときは,改善すべきことを勧告することができる。

(改善命令)

第10条 市長は,前条の規定による勧告を受けた者がその勧告に従わないときは,その者に対し,期限を定めて改善すべきことを命ずることができる。

2 市長は,前項の規定にかかわらず,規制基準の遵守義務に照らし必要と認めたときは,期限を定めて改善すべきことを命ずることができる。

3 前2項の規定により命令を受けた者は,当該命令に基づく改善を行ったときは,速やかに,その旨を市長に届け出なければならない。

(公表)

第11条 市長は,前条の規定による命令を受けた者が,当該命令に従わないときは,次に掲げる事項を公表することができる。

(1) 前条の規定による命令の内容

(2) 前条の規定による命令に従わなかった者の氏名,住所,法人にあっては,その名称,代表者の氏名,主たる事務所の所在地

2 市長は,前項の規定による公表をしようとするときは,あらかじめ当該者にその理由を通知しなければならない。

(報告及び検査)

第12条 市長は,この条例の施行に必要な範囲内において,事業者に対し必要な事項の報告を求め,又は市の職員に事業者の施設及び農場に立ち入り,検査をさせることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は,その身分を示す証明書を携帯し,関係人の請求があったときは,これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入検査の権限は,犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(監視,巡視等の実施)

第13条 市は,県や関係機関と連携し,事業者における健全な畜産環境の保持の状況を的確に把握するため,必要な監視,巡視等を実施するものとする。

(事業者との協定の締結)

第14条 市長は,事業者の事業活動に伴う環境負荷の低減を図るため,特に必要があると認めるときは,事業者との間で環境負荷の低減に関する協定を締結するものとする。

(畜産への理解の醸成)

第15条 市は,市民が畜産の現状を知ることで,畜産業への理解を深めてもらうとともに,併せて畜産物の消費拡大や,命をいただくことの大切さを啓蒙することを目的として,畜産業に関する学習の推進を図るものとする。

(調査及び研究の推進)

第16条 市は,健全な畜産環境の保持に資するため,市民の生活に必要な調査及び研究の推進に努めるものとする。

(国,県及び他の地方公共団体との連携協力)

第17条 市は,健全な畜産環境の保持を図るために必要な取組について,国,県及び他の地方公共団体と連携し協力してその推進に努めるものとする。

(施策の推進体制の整備)

第18条 市は,健全な畜産環境の保持に関する施策を推進するため,市の関係部局の連携及び施策の調整を図るものとする。

2 市は,関係機関と協力して健全な畜産環境の保持に関する施策を推進するための体制を整備するものとする。

(委任)

第19条 この条例の施行について必要な事項は,規則で定める。

この条例は,令和5年4月1日から施行する。

笠岡湾干拓地内の臭気に係る条例

令和4年12月22日 条例第31号

(令和5年4月1日施行)