○笠岡市子ども条例

平成24年12月27日

条例第28号

子どもは,未来への希望であり,一人の人間としてその尊厳が守られるかけがえのない存在です。

子どもは,権利について正しく学び,自らの権利を実現することで,ほかの人の権利を尊重できるようになります。そして,さまざまな権利が守られることで,豊かな子ども時代を過ごすことができるようになり,社会の一員として自立した大人に成長していきます。

現代の社会には,子どもの権利を脅かすさまざまな問題があり,このような時代を乗り越えていくには,子どもが生きる力を身につけることが大切です。

子どもの生きる力を培うためには,家庭や地域を中心とした社会全体で愛されることが必要です。子どもは愛されることにより,自分も周りの人も愛する気持ちが生まれます。さらに,自らの可能性を信じ,目標に向かって努力を重ねていくことで,自分自身を高め,豊かな人間性を育んでいくことができます。

笠岡市に住む子どもが心豊かに成長することは,すべての市民の願いです。大人は,子どもの権利条約に基づき,子どもの最善の利益を第一に考えます。

笠岡市は,地域の行事や日々の暮らしを通じて,子どもとのふれあいを大切にします。さらに,家庭,学校園等,地域社会,事業所及び市が協働することにより,まち全体で子どもの豊かな育ちを支え合う仕組みを整え,子どもが夢と希望をもち,安心して幸せに生活することができるまちの実現を目指し,この条例を定めます。

第1章 総則

(目指すもの)

第1条 この条例は,子どもの幸せを第一に考える視点のもとに,次代を担う子どもが未来に夢と希望をもち,安心して心豊かに育つことを目指します。

2 この条例は,目指すものを実現するために,次のことを定めます。

(1) 子どもの育成についての基本的な考え方

(2) 子どもの権利

(3) 大人の役割

(言葉の定義)

第2条 この条例において,言葉の意味は次のとおりです。

(1) 子ども 18歳未満の人をいいます。

(2) 協働 家庭,学校園等,地域社会,事業所及び市が,それぞれの果たすべき役割を自覚し,同じ目標に向かって,互いに支え合い,協力することをいいます。

(3) 学校園等 保育所,幼稚園,小学校,中学校,高等学校,特別支援学校,児童福祉施設などの施設をいいます。

(4) 地域社会 地域に住む人や,地域で活動をしている団体をいいます。

(5) 事業所 市内で事業活動を行う個人や法人をいいます。

(基本的な考え方)

第3条 子どもの育成についての基本的な考え方は,次のとおりです。

(1) 子どもは,生まれながらにして一人の人間としてその権利が守られ,最善の利益が保障されるかけがえのない存在です。

(2) 大人は,子どもには個人差や発達段階があることを認識し,心のふれあいを大切に,子どもとの信頼関係を築いていきます。

(3) 大人は,それぞれの果たすべき役割を認識し,互いに協働しながら,子どもを取り巻く環境を整え,子どもの生きる力を育んでいきます。

第2章 豊かな子ども時代を過ごすための大切な権利

(子どもの権利)

第4条 この章に定める権利は,子どもが成長していくために,特に大切なものとして保障されなければなりません。

2 子どもは,その年齢や発達段階に応じて,ふさわしい配慮がなされ,支援を受けることができます。

(権利の尊重)

第5条 子どもは,自らの権利が尊重されるのと同じように,ほかの人の権利も尊重しなければなりません。

(生きる権利)

第6条 子どもは,自分らしく生きていくために,主として次のことが保障されます。

(1) 自分の考えや気持ちを自由にもつこと。

(2) 個性やほかの人との違いが認められ,一人の人間として尊重されること。

(3) 夢を抱き,それに向かって挑戦すること。

(守られる権利)

第7条 子どもは,安全に安心して生きていくために,主として次のことが保障されます。

(1) 虐待やいじめなど,あらゆる暴力から守られること。

(2) いかなる差別も受けないこと。

(3) プライバシーや名誉が守られること。

(育つ権利)

第8条 子どもは,豊かに育つために,主として次のことが保障されます。

(1) 遊び,学び,休息すること。

(2) 文化,芸術,スポーツを体験すること。

(3) 自然に親しむこと。

(参加する権利)

第9条 子どもは,自ら社会に参加するために,主として次のことが保障されます。

(1) 自分の意見や考えを自由に表すことができ,それが尊重されること。

(2) 仲間をつくり,集うこと。

(3) 社会に参画し,意見が活かされる機会があること。

(4) 社会参加への適切な支援が受けられること。

第3章 大人の役割

(家庭の役割)

第10条 保護者は,子どもとともに育つなかで,心のふれあいを通して,子ども自らが愛され大切にされていると実感できるような家庭づくりに努めます。

2 保護者は,子どもに生活習慣を身につけさせ,社会のルールを教える責任があります。

(学校園等の役割)

第11条 学校園等は,子どもの年齢や発達段階に応じた知識や技能を身につけさせるとともに,子どもが自ら考え,解決していく力を育てるように努めます。

2 学校園等は,子どもが集団の中で互いに支えあいながら,自らの可能性を高め,自分らしく生きて行くことができるよう,豊かな人間性や社会性を育てるように努めます。

(地域社会の役割)

第12条 地域社会は,子どもが安心して気持ちよく過ごすことができる環境づくりに努めます。

2 地域社会は,子どもが地域の一員として,行事や活動に参加し,自然や文化に親しむ機会を提供するように努めます。

(事業所の役割)

第13条 事業所は,子どもを育成することが未来の社会の担い手を育てる大切な営みであることを認識するとともに,保護者が安心して仕事と家庭を両立しやすいように環境を整え,学校園等や地域社会との連携に努めます。

(市の役割)

第14条 市は,家庭,学校園等,地域社会及び事業所と協働しながら,それぞれの役割が果たせるように支援や調整を行い,条例の目指すものの実現に向けて推進していきます。

第4章 推進するための取組

(計画と評価)

第15条 市は,子どもの育成に関わる取組を,総合的かつ継続的に推進していくための計画をつくり,わかりやすく公表します。

2 市は,計画に基づき,安心して子どもを産み育てることができるよう総合的な支援に取り組みます。

3 市は,計画に基づいて実施した取組の結果について評価し,わかりやすく公表します。

4 市は,評価した内容を尊重し,必要な措置を取るように努めます。

(推進会議)

第16条 市は,家庭,学校園等,地域社会及び事業所と協働して子どもの育成に関わる取組を,総合的かつ継続的に進めていくために,推進会議を設置します。

(子どもの意見を聴く機会)

第17条 市は,子どもの視点や意見をまちづくりに反映させることができるように子どもの意見を聴く機会を設けます。

(笠岡市子ども週間)

第18条 市は,毎年11月第2月曜日からの1週間を「笠岡市子ども週間」と定め,家庭や地域社会のなかで,大人と子どもが心のふれあいをより深めるための週間とします。

(相談体制の充実)

第19条 市は,支援が必要な子どもや子育て家庭に対する相談及び支援体制の充実に努めます。

(虐待やいじめなどへの対応)

第20条 市は,関係機関と連携を深め,子どもに対する虐待やいじめなどの防止や早期対応に努めます。

(広報)

第21条 市は,この条例の目指すものや内容を子どもや大人にわかりやすく広めていきます。

(委任)

第22条 この条例の実施に関し必要な事項は,市長が別に定めます。

附 則

この条例は,平成25年4月1日から施行します。

笠岡市子ども条例

平成24年12月27日 条例第28号

(平成25年4月1日施行)