竹喬美術館平成28年特別展 パリに生きる パリを描く
パリに生きる パリを描く ―M氏秘蔵コレクションによる―
平成28(2016)年9月10日(土曜日)~10月23日(日曜日)
小磯良平《巴里風景》1960年頃 [Jpegファイル395KB]
第一次世界大戦前後から1930年代にかけてのパリには世界中の芸術家が集い、百花繚乱の様相を呈して、「エコール・ド・パリ(パリ派)」と呼ばれました。世界中の文化がフランスの文化と出会い習合するエコール・ド・パリの現象を、美術評論家福島繁太郎は「一種の接触文化」と評しています。
1921(大正10)年11月18日、国画創作協会設立会員の土田麦僊、小野竹喬、野長瀬晩花は洋画家黒田重太郎を先導役として、パリに到着しました。世界に通じる絵画として日本画を革新するべく、麦僊らは接触文化の坩堝の地に身を投じ、日本人の芸術家としての本源(アイデンティティ)を探求しようとしたのです。この1921年当時のパリには、日本の洋画家、日本画家、そして美術評論家が多く集い、留学と芸術巡礼を目的として、フランス文化と日本文化のキャッチボールを行い、煩悶しつつも明日の指針を見出そうとしていました。
このたびの企画は、まさしくこのエコール・ド・パリを代表する藤田嗣治をはじめ、パリに生き、パリを描いた日本の洋画家たちの足跡を、M氏秘蔵コレクションの逸品70点を主に紹介しようとするものです。M氏は1986年に開催された「パリを描いた日本人画家展」(神奈川県立近代美術館、三重県立美術館等)に触発され、以来30年間にわたって、このテーマに沿った蒐集を進め、珠玉のコレクションを形成されました。
小野竹喬、荻須高徳、小磯良平を顕彰する、笠岡市立竹喬美術館、稲沢市荻須記念美術館、神戸市立小磯記念美術館の三館は、このM氏コレクションに各館の所蔵作品14点を合わせた84点により、フランス文化のモダニズム形成に異邦人として、また日本文化の革新に先駆者として、日本人画家が果たしたそれぞれの役割を検証してみたいと思います。季節の移りゆきと行き交う人々の暮しが彩るパリの街角、その魅力を捉えた作品をご覧いただき、おしゃれな心の旅をしていただければ幸いです。
開館時間
9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日
毎週月曜日(ただし、9月19日、10月10日は開館し、9月20日、10月11日は休館します。)
入館料
一般800円(650)
高校生500円(350)
市外小中学生300円(150)
( )内は団体20名以上
※笠岡市内在住の65歳以上の方・笠岡市内の小中学生は入館無料。年齢および住所のわかるもの、笠岡っ子無料パスを提示してください。
※前売は一般個人のみ700円
前売券販売所(笠岡市内)カブトガニ博物館・中央公民館・市民課・生涯学習課・笠岡市民会館/(笠岡市外)倉敷市立美術館・やかげ郷土美術館・井原市立田中美術館・華鴒大塚美術館
関連行事
●子供のためのスケッチ教室
「パリの風景を描いてみよう」
講師:光延由香利氏(画家)
10月8日(土曜日)13時30分~15時
募集定員20名
●大人のための絵画教室
「ヨーロッパの街角を描く」
講師:長原勲氏(画家)
9月18日(日曜日)13時00~15時
募集定員20名
●市民のための対談講座
「パリに生きる、パリを描く」
講師:河合志穂氏(稲沢市荻須記念美術館主任学芸員)
上薗四郎(笠岡市立竹喬美術館館長)
10月2日(日曜日)、22日(土曜日)の2回 13時30分~15時
募集定員40名
※詳細は美術館までお尋ねください(0865-63-3967)