竹喬美術館平成24年度展覧会 国画創作協会の画家たち展
百花繚乱 国画創作協会の画家たち
2012年10月27日(土曜日)~2013年1月27日(日曜日)
今年は、大正元(1912)年から100年を隔てた年となる。大正期は、多様な世情をはらみながらも文芸のみならず社会全般が大きな華やぎを示した時代であった。その中で日本画は、大正3(1914)年に院展が再興し、大正7(1918)年には国画創作協会(こくがそうさくきょうかい)が設立され、文展(ぶんてん、大正8年より帝展)とともに三者が鼎立するいわば黄金期を迎えることとなる。
国画創作協会、略称「国展(こくてん)」は、大正7年1月に京都市立絵画専門学校の第一期生であった小野竹喬、榊原紫峰(しほう)、土田麦僊(ばくせん)、野長瀬晩花(ばんか)、村上華岳(かがく)が会員として、「生マルルモノハ芸術ナリ。機構ニ由ツテ成ルニアラズ」に始まる国画創作協会宣言書を発表して設立した日本画の在野団体である。
彼らは同年の第1回展後に会員となった入江波光(はこう)とともに、昭和3(1928)年までの10年間に7回の展覧会を開催した。宣言書にうたう「已ム能ハザル個性ノ創造ハ作品ノ生命ナリ」に準じた運営方針を守り、第3回展までは際立った厳選を貫いた。そして大正10(1921)年から会員の渡欧による3年間の中断を経て、第二部に洋画、工芸、彫刻を加えた総合的な公募展に推移したのち、経営破綻を主な原因として昭和3年に日本画部門は解散する。
この国展は短命ではあったが、京都だけでなく全国的な日本画の公募展として、生命力に富んだ個性豊かな作品を歴史に数多く残した。国展は個性が湧出するのを押し止めることなく、奔放な展開をむしろ奨励した感があった。百花繚乱と称される個性の花々が競演したのが国展であったといえる。
竹喬美術館は、開館以来、国展を全体としてまた個別の作家毎に紹介するとともに、国展後継の新樹社(しんじゅしゃ)や柏舟社(はくしゅうしゃ)についても企画展を行ってきた。この成果として、創立会員はもとより、吹田草牧(そうぼく)、伊藤草白(そうはく)、石橋謙吾、澤田石民(せきみん)、林司馬(しめ)ら国展画家の作品をかなり収蔵することとなり、国展を検証する上での一つの拠点になった。
このたび開館30周年を記念して、竹喬美術館の重要な柱である国展の作品約50点を改めてご披露し、国展の活動が近現代日本画に与えた影響を考え直したい。自らの魂に呼びかけるような純粋な創造による作品の一つ一つに見入っていただければ幸いである。
開館時間
9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日
毎週月曜日(ただし、祝日にあたる12月24日は開館し、25日は休館。1月14日は開館し、15日は休館)
年末年始にあたる12月29日~1月3日
入館料
一般500円(400)
高校生300円(200)
市外小中学生150円(90)
( )内は団体20名以上
※65歳以上の方・笠岡市内の小中学生は入館無料。年齢のわかるもの、笠岡っ子無料パスを提示してください。
関連行事
・講座
「国画創作協会の再評価」 上薗四郎(当館館長)
11月11日(日曜日) 13時30分~15時 笠岡市立竹喬美術館視聴覚室にて
聴講無料(入館料が必要)、要予約(電話0865-63-3967)
・ギャラリートーク
10月28日(日曜日)、12月1日(土曜日)、1月4日(金曜日)
いずれも13時30分~14時30分、聴講無料(入館料が必要)
・<市制施行60周年記念>花の海~花で彩るアートの世界~
アートディレクター 萬木善之氏
10月27日(土曜日)・28日(日曜日)
美術館中庭、北木石で表現された笠岡諸島を舞台に、笠岡産のバラを使用して笠岡の花海を表現します。
入館料(一般500円)が必要です。