Double Telson(ダブル テルソン)!!
Double Telson !!
わけのわからないタイトルですみません。
必殺技の名前ではありません。
「Double(ダブル)」は馴染み深い単語ですが、「Telson(テルソン)」という単語はなかなか聞かないのではないでしょうか?
サムネイルのせいで、あっけなくネタバレしていますが、Telsonとはカブトガニの「尾剣(びけん:しっぽのこと)」です。
このカブトガニには、ご覧のとおり尾剣が2本あります。
クールです。
周りのカブトガニと比べると、少し尾剣が短いところが残念ですが、それでも存在感は抜群です!
なんで尾剣が2本あるの?
カブトガニの尾剣は本来1本で、脱皮して成長しても、本数が増えることはありません。
しかし、上の写真のカブトガニは2本あります。
なぜでしょう?
正解は「奇形」です。
カブトガニは卵から生まれます。
生まれる前の卵の中の「カブトガニのもと」を「胚(はい)」と呼びます。
この胚の頃に、普通とは違う体になることを「奇形」といいます。
昔の写真ですが、体が曲がったものや結合双生児(卵の中で2個体発生して体の一部がくっついたもの)などが奇形の一例です。
残念ながら、通常のカブトガニより奇形の方が生存率は低く、ほとんどが1年と経たず亡くなります。
今回、尾剣が2本のカッコイイ姿を披露してくれましたが、奇形であることに変わりはありません。
何が心配かというと、カブトガニの肛門は尾剣の付け根にあります。
と、いうことは、肛門が2つあると考えられるので、体の中で消化器が分化しているのかも...。
つまり、消化器系に異常がある可能性が高いということです。
しかし、エサをあげるとフンをしてくれました!
しかも、体の中央部からフンをしているように見えます。
フンをするということは重要なことで、「エサを食べられる」ことを証明しています。
あとは、消化吸収機能が正常であることを祈るばかりです。
人工飼育をしているといろいろなカブトガニがいますが、これからも1匹1匹と向き合って飼育していきます。
尾剣が2本ある、個性派カブトガニのお話でした。