カブトガニの赤ちゃんの秘密
カブトガニの赤ちゃんの秘密
今年の夏も元気にカブトガニの赤ちゃんが産まれました!
↓産まれたカブトガニの赤ちゃん↓
ちなみに、この産まれたばかりの赤ちゃんを『1齢幼生』と呼びます。
夏休みの間にぞくぞくと生まれていたこのカブトガニベビーたちは、カブトガニ博物館で産ませた卵からちょうど孵化するタイミングを見計らって取り出します。
↓砂ごとカブトガニの卵と赤ちゃんを取り出し、海水で洗います↓
この時は受精していない卵、残念ながら病気になってしまった卵、まだ成長段階の卵、1齢幼生など、いろいろな状態のものが入り混じっています。
↓これをバットに移してみると...↓
すごい数です!
↓拡大すると...↓
水面をカブトガニの赤ちゃんが元気に泳いでいます。
カブトガニといっしょに、水面に何か油のようなものが見えますか?
こんなものが浮いている環境でカブトガニが元気に育つでしょうか?
こんなことでいいんですか!?
そうなんです。
いいんです!
水面に見える油のようなものは、じつは油ではありません。
むしろ、カブトガニに由来しているものなんです。
答えのわかる人はごく少数だと思いますが、さて!何でしょう?
次の写真にはヒントが隠れています。
↓油のようなものの形に注目!↓
さらにヒント!
さらにさらにヒント!
さあ!答えの分かった人も多いはずです。
正解は、脱皮殻でした!
でも、今回取り上げたのは1齢幼生ばかりでしたね。
1齢幼生というのは卵から産まれたばかりなんで、単純に考えると脱皮殻があるのはおかしな気がします。
ここからが、カブトガニの赤ちゃんの秘密!
長い前振りにお付き合いいただきまして、ありがとうございます。
短い本題は今からです。
さて、なぜカブトガニの赤ちゃんばかりの中に脱皮殻があるのか。
感の鋭い方はお気付きでしょう。
じつはカブトガニは、卵の中でも脱皮するんです!
(卵の中で脱皮することを「胚脱皮(はいだっぴ)」といいます)
それも1度や2度ではありません。
なんと卵の中で4度も脱皮を行います。
そして、写真に写っている脱皮殻はほとんどが4度目の脱皮の殻だと思われます。
産まれる前から脱皮するなんて、だてに2億年も前から生きていませんね。
すごいぞ!カブトガニ!