カブトガニの眼はトンボの眼?
カブトガニの眼はトンボの眼?
「♪とんぼのめがねは みずいろめがね~」
と、歌われるトンボの眼ですが、そんなトンボの眼は「複眼(ふくがん)」とよばれています。
小さな眼(個眼)がいっぱい集まって一つの大きな眼を作っているんです。
(このページで「目」ではなく「眼」と表記しているのは、視覚器官を生物的かつ構造的・器官的に捉えて説明しているためです)
カブトガニには眼にあたる器官が5つあると言われていますが、その内2つはトンボと同じように「複眼」です。
↓前体(頭)の両脇にあるつぶらな瞳がそうです↓
↓横から見ると分かりやすい↓
さて、この複眼ですが、トンボの複眼は数万個の個眼でできているそうです。
(1万個~3万個くらいと言われていますが、諸説あるそうです)
↓トンボの複眼↓
一方カブトガニは、生まれた時が24個、成体(大人)になると約400個の個眼で一つの複眼ができるそうです。
眼の大きさだけならトンボより成体のカブトガニの方が大きいと思いますが、トンボの眼は正六角形の個眼がびっしりならんでいる(上の写真では分かりませんが)のに対し、カブトガニの眼はわりと間隔を空けて丸い個眼が点在します。
これだけで個眼の個数に100倍近い差が出るのか疑問ですが、この他にも何か構造が違うのでしょうか?
カブトガニの眼を見る!
今回見るカブトガニの複眼は、7齢幼生のものです。
↓7齢幼生のカブトガニ↓
わずか1mmほどの小さな眼なので、顕微鏡が必要です。
生きているカブトガニのそれを見るのは大変なので、今回は標本から切片を作成しました。
↓カブトガニの複眼↓
顕微鏡をのぞきながら左右の個眼を数えた結果、左右の平均は253個でした。
冒頭で書いたように生まれたてで個眼は24個、成体で400個程度だそうなので、成長につれて複眼の個眼も増えていっているのが、よく分かります。
それにしても、この眼には一体どんな景色が見えているんでしょう。