男(オス)はつらいよ
印刷用ページを表示する更新日:2017年11月4日更新
男(オス)はつらいよ
カブトガニの世界でも、やっぱり男(オス)はつらいよ...。
カブトガニは十数回の脱皮をくり返して大きくなります。
そして、最終脱皮の際にオスかメスかに明確に分かれます。
オスの特徴としては、メスとつがいやすいように前体(頭)の前の方がくぼんで、2対のハサミがメスの体をガッチリつかめるハサミに変化します。
↓オスの方が前体がくぼむ↓
↓上のハサミ2本がフックのような形になる↓
このような体の変化があります。
ちなみにこのオスの2対のハサミを「把持器(はじき)」や「クラスパー」といいます。
(エイやサメなどの軟骨魚類の交尾器も「クラスパー」といいますが、カブトガニの場合はこのハサミを「クラスパー」といいます)
さて、では何がつらいのでしょうか?
実は、上の写真のオスのクラスパーは脱皮した直後とは形が違います!
脱皮したばかりだと、ハサミの部分がちゃんと生えているんです。
どういうことかというと...
わかりますか?
初めはクラスパーもハサミになっているんです。
しかし、カブトガニの世界ではメスとの出会いはあまりないもの。
一度メスとつがうと、
「キミを絶対離さないぜ!」
と、かなりの強さでメスにつがうので細いハサミの方が根本から折れてしまうんです。
ただメスにくっついている怠け者のように見えますが、クラスパーが欠けてもなおつがう、オスの涙ぐましい努力がありました。
男(オス)はつらいよ。