○笠岡市パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓の取扱いに関する要綱

令和3年11月16日

告示第198号

(趣旨)

第1条 市民一人ひとりが個性と能力を十分発揮し,自分らしく生きていくことができる社会を実現することは全ての市民の願いである。そのため,性的マイノリティに関して,社会の理解が十分でないために生じる偏見や差別は許されることではない。

性的マイノリティの人権課題を解決するためには,全市民が課題について正しく認識し理解を深め行動することが求められる。このように,少数派の人権課題に全市民が主体的に向き合い,市民の総力で解決を図ることは,互いに個性と人格を尊重し合いながら共生する社会を創造し,市民生活の充実と安定につながっていく。

この要綱は,性的指向及び性自認の多様性を尊重することで,ありのままの自分を表現し,自分の生き方を自由に選択できる豊かで活力のある社会の実現を目指し,笠岡市人権尊重の都市づくり条例(平成13年笠岡市条例第31号)及び笠岡市男女共同参画推進条例(平成15年笠岡市条例第21号)に基づき,パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓の取扱いについて必要な事項を定めるものとする。

(定義)

第2条 この要綱において,次の各号に掲げる用語の定義は,当該各号に定めるところによる。

(1) 性的マイノリティ 性的指向(恋愛感情や性的な関心の対象となる性別の指向をいう。)が必ずしも異性愛のみではない者,又は性自認(自分が認識している性別をいう。)が出生時の性と異なる者をいう。

(2) パートナーシップ 一方又は双方が性的マイノリティである2人が,互いを人生のパートナーとし,日常の生活において相互に協力し合うことを約した関係をいう。

(3) ファミリーシップ パートナーシップの関係にある2人の一方又は双方に,未成年の実子又は養子がいる場合であって,生計が同一であり,家族として豊かな愛情をもってその子を養育することを約した関係をいう。

(4) 宣誓 パートナーシップにある2人が,市長に対し,双方が互いのパートナーであることを宣誓することをいう。また,パートナーシップにあることを宣誓した者が,市長に対し,ファミリーシップにあることを宣誓することをいう。

(宣誓の要件)

第3条 パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓をすることができる者は,パートナーシップにある2人であって,次の各号のいずれにも該当する者とする。

(1) 民法(明治29年法律第89号)第4条に規定する成年に達していること。

(2) 市内に住所を有していること,又は本市への転入を予定していること。

(3) 配偶者(婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)がいないこと。

(4) 双方が宣誓をする相手以外の者とパートナーシップの関係にないこと。

(5) 民法第734条又は第735条に規定する婚姻をすることができないとされている者同士の関係にないこと。(当該関係がパートナーシップに基づく養子縁組によるものであって,養子縁組をする前の関係が直系血族又は三親等以内の傍系血族ではなかった場合を除く。)

(6) ファミリーシップにあることを宣誓しようとする者は,パートナーシップにある者の一方又は双方の未成年の子と生計が同一であること。

(宣誓の方法)

第4条 宣誓をしようとする者は,パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書(様式第1号。以下「宣誓書」という。)に自ら記入し,次に掲げる書類(宣誓日前3か月以内に発行されたものに限る。)を添えて,市長に提出するものとする。この場合において,15歳以上の未成年の子についてファミリーシップにあることを宣誓しようとするときは,当該子が自ら記入するものとする。第8条第1項第1号に規定する子が追加された場合においても同様とする。

(1) 住民票の写し又は住民票記載事項証明書

(2) 宣誓時において市内に住所を有していない者の場合は,前号に掲げる書類に代えて,市内へ転入する予定が記載された転出証明書の写し等その事実が確認できる書類

(3) 戸籍抄本その他配偶者がいないことを証明する書類

(4) ファミリーシップにあることを宣誓しようとする者にあっては,パートナーシップにある者の一方の子であることを証明する書類

(5) 前4号に掲げるもののほか,市長が必要と認める書類

2 宣誓をしようとする者の一方又は双方が自ら記入することができないとき又は15歳以上の未成年の子が自ら記入することができないときは,市職員の立会いの下で,これを代筆させることができる。

3 宣誓をしようとする者は,本人であることを明らかにするため,次の各号のいずれかの書類を提示するものとする。

(1) 個人番号カード

(2) 旅券

(3) 運転免許証

(4) 前3号に掲げるもののほか,官公署が発行した免許証,許可証又は資格証明書等であって,本人の顔写真が貼付けされたもの

(5) 前各号に掲げるもののほか,市長が適当と認める書類

(通称名の使用)

第5条 宣誓をしようとする者は,性別違和等で市長が特に理由があると認める場合は,宣誓書において氏名と併せて通称名を使用することができる。

2 前項により通称名の使用を希望する場合は,日常生活において当該通称名を使用していることが確認できる書類を宣誓時に提示するものとする。

(受領証明書等の交付)

第6条 市長は,第4条の規定により宣誓をした者(以下「宣誓者」という。)が,第3条に定める要件を満たしていると認めるときは,当該宣誓者に対し,パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証明書(様式第2号の1又は様式第2号の2),及びパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証明カード(様式第3号の1又は様式第3号の2)(以下これらを「受領証明書等」という。)に宣誓書の写しを添えて交付するものとする。

(受領証明書等の再交付)

第7条 宣誓者は,受領証明書等を紛失,毀損,汚損したときや,その他の事情により再交付を受けようとするときは,パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証明書等再交付申請書(様式第4号。以下「再交付申請書」という。)を市長に提出することができる。

2 前項の規定による再交付申請書を提出する者は,第4条第3項に掲げる書類のいずれかを提示するものとする。

3 市長は,第1項の規定により再交付申請書の提出があったときは,受領証明書等を再交付するものとする。

(宣誓事項の変更)

第8条 宣誓者は,次の各号のいずれかに該当するときは,パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓事項変更届(様式第5号。以下「変更届」という。)に受領証明書等及び変更内容が確認できる書類を添えて,市長に提出しなければならない。

(1) 子が追加又は削除されたとき。

(2) 氏名が変更されたとき。

(3) 市内で転居したとき。

(4) 子が成年に達したとき。

(5) その他宣誓書に記載した事項に変更があったとき。

2 前項の規定による変更届を提出する者は,第4条第3項に掲げる書類のいずれかを提示するものとする。

3 市長は,第1項の規定により変更届の提出があったときは,その内容を確認し,変更後の受領証明書等を交付するものとする。

(受領証明書等の返還)

第9条 宣誓者は,次の各号のいずれかに該当するときは,パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証明書等返還届(様式第6号。以下「返還届)という。)に受領証明書等を添えて市長に提出しなければならない。

(1) 宣誓者の意思によりパートナーシップ・ファミリーシップが解消されたとき。

(2) 宣誓者の一方が死亡したとき。

(3) その他宣誓の要件に該当しなくなったとき。

2 前項の規定による返還届を提出する者は,第4条第3項に掲げる書類のいずれかを提示するものとする。

(子の氏名の削除)

第10条 宣誓書に氏名を記載された子は,満15歳に達した日以降に,市長にパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓に関する申立書(様式第7号。以下「申立書」という。)を提出することにより,当該子が記載された受領証明書等から氏名を削除するよう申し立てることができる。

2 前項の規定による申立書を提出する者は,第4条第3項に掲げる書類のいずれかを提示するものとする。

3 市長は,第1項の規定により申立書の提出があったときは,宣誓者に対して,当該子の氏名を削除した受領証明書等を交付するものとする。

(自治体間での相互利用)

第11条 宣誓者は,本市とパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度の相互利用に関する協定(以下「協定」という。)を締結している自治体に転出する場合であって,市長にパートナーシップ・ファミリーシップ宣誓情報引継ぎ申出書(様式第8号。)を提出したときは,本市が交付した受領証明書等を継続して使用することができる。

2 本市と協定を締結している自治体から転入した者で,転入前の自治体において受領証明書等類似書類の継続使用の手続きがされている場合において,本市への転入後も引き続きパートナーシップ・ファミリーシップの継続を希望するときは,パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓書受領証明書等継続使用申請書(様式第9号。以下「継続使用申請書」という。)に次に掲げる書類を添えて,市長に提出するものとする。

(1) 転入前の自治体で交付された受領証明書等類似書類

(2) 住民票の写し又は住民票記載事項証明書(申請日前3か月以内に発行されたものに限る。)

3 前項の規定により,継続使用申請書が提出された場合は,第2条第4号に規定する宣誓をしたものとみなし,受領証明書等に継続使用申請書の写しを添えて交付するものとする。

4 第2項の規定による継続使用申請書を提出する者は,第4条第3項に掲げる書類のいずれかを提示するものとする。

(市民及び事業者への周知及び啓発)

第12条 市長は,市民及び事業者がこの要綱の規定に基づくパートナーシップ・ファミリーシップの宣誓制度及びその趣旨を理解するとともに,その社会活動の中でこれらを尊重し,公平かつ適切な対応をとることができるよう,周知及び啓発に努めるものとする。

(宣誓書の保存期間及び廃棄)

第13条 市長は,宣誓者のパートナーシップ・ファミリーシップが継続している限り,宣誓書を保存するものとする。ただし,第9条第1項の規定による返還届が提出された場合は,宣誓書を廃棄することができる。

(その他)

第14条 この要綱に定めるもののほか,必要な事項は,市長が別に定める。

この要綱は,令和4年4月1日から施行する。

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笠岡市パートナーシップ・ファミリーシップの宣誓の取扱いに関する要綱

令和3年11月16日 告示第198号

(令和4年4月1日施行)