○笠岡市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成29年9月29日

告示第208号

(趣旨)

第1条 この要綱は,介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号の規定に基づく認知症初期集中支援推進事業(以下「事業」という。)の実施に関し,必要な事項を定めるものとする。

(目的)

第2条 この事業は,認知症になっても本人の意思が尊重され,できる限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう,認知症が疑われる者,認知症の者及びその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」(以下「支援チーム」という。)を配置し,早期診断及び早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。

(定義)

第3条 この要綱における用語の定義は,地域支援事業の実施について(平成18年6月9日老発第0609001号厚生労働省老健局長通知)において使用する用語の例による。

(実施主体)

第4条 事業の実施主体は,笠岡市とする。ただし,事業の全部又は一部を適切な事業運営が確保できると認められる団体等に委託することができる。

(支援チームの構成)

第5条 支援チームは,専門職2人以上,専門医1人による認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)で構成する。

2 専門職は,次の各号のいずれにも該当する者とする。

(1) 医師,歯科医師,薬剤師,保健師,助産師,看護師,准看護師,理学療法士,作業療法士,社会福祉士,介護福祉士,視能訓練士,義肢装具士,歯科衛生士,言語聴覚士,あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師,柔道整復師,栄養士,精神保健福祉士,介護支援専門員又はこれらに準ずる者であり,かつ,認知症の医療や介護における専門的知識及び経験を有すると市長が認めた者

(2) 認知症ケア又は在宅ケアの実務,相談業務等に3年以上携わった経験がある者

(3) 国が定める認知症初期集中支援チーム員研修(以下「チーム員研修」という。)を受講し,必要な知識及び技術を修得した者。ただし,チーム員研修を受講していない専門職であっても,受講の内容を共有する場合は,この限りでない。

3 専門医は,次の各号のいずれかに該当する者とする。

(1) 公益社団法人日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした臨床経験が通算5年以上の認知症サポート医

(2) 公益社団法人日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした臨床経験が通算5年以上の医師であって,今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定のある者

(3) 認知症サポート医であって,認知症疾患の診断,治療に5年以上従事した者(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

(事業内容)

第6条 事業の内容は次のとおりとする。

(1) 認知症初期集中支援の実施

 訪問支援対象者の把握

 情報収集及び観察・評価

 初回訪問時の支援

 チーム員会議の開催

 初期集中支援の実施

 引き継ぎ後のモニタリング

 記録等の保管

 支援実施中の情報の共有

(2) 支援チームに関する普及啓発

(3) その他事業の実施に関して必要なこと。

(支援チーム及びチーム員の役割)

第7条 支援チームは,支援事業の実施が必要と認められる認知症が疑われる者又は認知症の者及びその家族を訪問し,観察及び評価を行い,必要な支援を行うものとする。

2 専門職は,訪問支援対象者及びその家族を訪問し,必要な支援を行うものとする。

3 専門医は,認知症に関する専門的見識から他のチーム員への指導,助言等を行い,必要に応じてチーム員とともに訪問支援対象者及びその家族を訪問し,相談に応じるものとする。

(支援対象者)

第8条 事業の対象となる者(以下「支援対象者」という。)は,市内に住所を有する40歳以上の在宅で生活する者のうち,認知症が疑われる者又は認知症の者であって,次の各号のいずれかに該当するものとする。

(1) 医療サービス若しくは介護サービスを受けていない者又はこれらのサービスを中断している者で,次のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結びついていない者

 認知症の診断はされているが,介護サービスを中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けている者であって,認知症の行動・心理症状が顕著なため,家族等が対応に苦慮している者

(訪問支援対象者の把握)

第9条 支援チームは,地域包括支援センターから提供された支援対象者に関する情報に基づき活動するものとする。

2 支援チームは,新たに支援対象者とするべき者の情報を得た時は,地域包括支援センターと情報の共有をしなければならない。

(初回訪問時の支援)

第10条 支援チームは,初めての訪問(以下「初回訪問」という。)を行うときは,支援対象者及びその家族に対し,次に掲げる支援を行うものとする。

(1) 認知症の包括的な観察及び評価

(2) 基本的な認知症に関する正しい情報の提供

(3) 専門医療機関への受診及び介護保険サービスの利用の効果に関する説明

(4) 認知症支援対象者及びその家族の心理的サポート,助言等

2 支援チームは,初回訪問には,認知症支援対象者の家族等あらかじめ協力を得られる者に対して同席を求め,当該支援対象者より現病歴,既往症,生活情報,家庭の情報等を収集するものとする。

(支援の方針等の検討)

第11条 支援チームは,初回訪問の後,認知症支援対象者ごとに観察及び評価の内容を総合的に確認し,支援の方針,内容,支援頻度等を検討するため,チーム員会議を行う。

2 支援チームは,必要に応じて,認知症支援対象者のかかりつけ医,介護支援専門員,笠岡市の関係部署の職員等に対し,チーム員会議へ出席を求めることができる。

(初期集中支援の実施)

第12条 支援チームは,支援対象者が医療サービス又は介護サービスによる安定的な支援を受けるまでの最長でおおむね6月間,つぎに掲げる支援を実施する。

(1) 医療機関への受診が必要な場合は,その動機付け

(2) 継続的な医療サービスの利用に至までの支援

(3) 介護サービスの利用等の勧奨及び誘導

(4) 認知症の症状の程度に応じた助言

(5) 身体を整えるケア

(6) 生活環境等の改善

(7) その他認知症の初期に必要な支援

(初期集中支援終了後の活動)

第13条 支援チームは,支援チームによる前条の支援終了について,チーム員会議で決定した場合は,地域包括支援センター,担当介護支援専門員等に同行して支援対象者を訪問する等の方法で,円滑に引き継ぎを行わなければならない。

2 支援チームは,前項の引き継ぎの2月後に,当該認知症支援対象者に係る医療サービス及び介護サービスの利用状況等を評価し,支援の必要性を判断の上,随時モニタリングを行うものとする。

(検討委員会の設置)

第14条 市は,支援チームの設置,活動状況等について検討するため,検討委員会を設置する。

2 検討委員会は,次の各号に掲げる事務を行う。

(1) 支援チームの活動状況に関すること。

(2) 認知症に関する関係機関との連携に関すること。

(3) その他支援チームの活動について必要な事項に関すること。

(個人情報の保護)

第15条 チーム員は,本事業に関して収集した個人情報については,笠岡市個人情報の保護に関する法律施行条例(令和5年笠岡市条例第1号)の定めに従い,訪問支援者対象者及び対象者世帯の個人情報やプライバシーの尊重,保護に万全を期すものとし,正当な理由がなくその業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も,同様とする。

(書類の保管)

第16条 支援対象者に関する情報,観察及び評価の結果,支援事業による支援の内容を記録した書類等支援事業に関する書類は,5年間保管するものとする。

(その他)

第17条 この要綱に定めるもののほか,必要な事項は市長が別に定める。

この要綱は,平成29年10月1日から施行する。

(平成30年3月30日告示第61号)

この要綱は,公布の日から施行する。

(令和5年3月28日告示第39号)

この要綱は,令和5年4月1日から施行する。

笠岡市認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成29年9月29日 告示第208号

(令和5年4月1日施行)